米空軍 まさか“近接戦”特化型ミサイルの実験に成功 長距離攻撃じゃダメな理由とは
スタンドオフに対抗するスタンドイン兵器
アメリカ空軍は2024年12月2日、開発中のスタンドイン攻撃兵器(SiAW)ミサイルを戦闘機から投下させることに成功したと発表しました。 【これが新型ミサイル…】F-16での投下実験が成功した様子(写真) この実験は11月7日にメキシコ湾上空で行われました。F-16を使用し、ロケットモーターや電子機器を搭載していないプロトタイプミサイルを投下しました。この成功により、ミサイルが実際の作戦で安全に展開できることが保証され、その後の試験の基礎が築かれるとのことです。 SiAWはいわゆる「スタンドオフ兵器」とされている、敵性勢力の防空網の外から発射可能な長射程兵器の脅威を取り除くことを想定して開発されたミサイルです。攻撃目標は、具体的には、弾道ミサイルや巡航ミサイルの発射装置、ミサイルの発射能力を持つ艦艇や車両のほか、味方側の発射するミサイルを妨害する装備などです。 開発元は、ノースロップ・グラマンで、特に移動目標に対して優れた攻撃能力を持つように設計されています。 従来の巡航ミサイルなどの遠距離攻撃では対応しにくい目標に対し、迅速な攻撃を加えることが期待されており、特に南シナ海や太平洋でなんらかの行動を取った中国人民解放軍の艦艇を想定した、接近阻止・領域拒否(A2/AD)環境下における兵器として開発されています。 今回はF-16が実験を担当しましたが、防空網に入り込むミサイルのため、レーダーに映りにくいステルス機が運用することを特に意識した兵器のようです。
乗りものニュース編集部