「信は力なり」。「スクール☆ウォーズ」のモデルとなった旧・伏見工業、京都工学院として初の花園へ。全国高校ラグビー大会
12月27日、東大阪市花園ラグビー場で開幕する「花園」こと、104回目を迎える全国高校ラグビー大会。ノーシード校の中で、最も注目を集めているのが9大会ぶり21回目の出場となる京都工学院(京都)だ。
テレビドラマ「スクール☆ウォーズ」のモデルとなったことで、全国的に知られる京都・伏見工業を前身に持つチームで、優勝は4回を誇るが、8年連続、予選決勝で京都成章に敗れていたため、「京都工学院」という名前になってからは初の花園となる。
11月10日、京都・たけびしスタジアム京都(西京極競技場)で、京都府予選決勝が開催された。ライバル同士の対戦は今年3度目。2月の近畿大会では京都工学院は22-27で敗れたが、5月の京都府の高校総体では59-8で快勝していた。
今年は京都工学院が有利と思われた中での決勝だったが、京都成章も意地を見せて接戦となる。しかし、最後にU17日本代表の司令塔SO(スタンドオフ)杉山祐太朗がジャッカルを決め、京都工学院が守り切って10-8で勝利した。2000年度、3度目の花園優勝時の主将だった大島淳史監督(41)は、ノーサイドの笛が鳴った瞬間、歓喜の涙を流した。
「9年ぶり勝って、花園に赤黒(ジャージー)が復活する日を待ってくださった方の人たちの期待に応えられて、少しホッとしたし、生徒の頑張りが報われたので本当にうれしかった」。
「8年間というのはそれだけ長かったし、もう伏見工業は、京都工学院になって終わったのでは…と、いろんなところで言われていたと思うが、また花園に戻って来られて、やっとスタートラインに立てたという喜びが出た」。
大島監督は伏見工業から日本体育大学でプレーをした後、京都市の中学校の教諭として赴任。6年前に監督になった。2016年、伏見工業は洛陽工業と統合し、京都工学院という名になり、2018年にちょうど3学年が揃った後だった。
大島監督は「京都工学院と学校の名前が変わっただけでなく、2つの学校が統合して学校が変わったが、ラグビー部のスタッフも大きく変わっていく時期が重なった。その時は一生懸命やっていたが振り返ると、その2つが重なったタイミングは、やっぱりしんどかった」と正直に吐露した。