「信は力なり」。「スクール☆ウォーズ」のモデルとなった旧・伏見工業、京都工学院として初の花園へ。全国高校ラグビー大会
しかし、伏見工業時代に元日本代表SH(スクラムハーフ)田中史朗さんとハーフ団を組んで花園ベスト4となり、早稲田大学でプレーもしていた細川明彦コーチを招聘するなど指導体制を整えつつ、京都成章との着実に差を埋めていった。
2022年には「京都工学院」として初めて春の選抜大会に出場した。ただ、昨年の花園予選決勝もライバルを追い詰めたが、最後にトライを許して7-10と惜しくも花園出場を逃した。
「指導して6年ということで、失敗を成功に生かすために年々取り組んでいるし、このチームをより良くしていくために、どうしたらいいのかという積み重ねが少しずつ、良い形になってきている」と大島監督。
今季、大きく変えた点は京都成章という壁を超えるために、京都成章に勝つための練習ではなく、全国で勝っていくための取り組みを始めたこ、一緒にやらせてもらうことで、レベルを上げることができた」と話す。
また、セットプレーと接点を1年間かけてしっかり鍛えたことも功を奏した。大島監督は「ラグビーの中で接点がぶれなければ、きっちりとした試合にはなる。私の中では、セットプレーの重要さを大事にしてきた」と語気を強めた。
決勝でトライを挙げた、ランが持ち味のキャプテンFB(フルバック)広川陽翔(3年)も「セットプレーが安定しているので、もしミスしてもスクラム、ラインアウトで取り返してくれるという安心感があるので、強気で勝負できる」と話した。
高校1年時は、キャプテンシーがあるタイプではなかったという広川キャプテンの成長も、チームに良い影響を与えたようだ。大島監督は「広川は決定力があるし、ハイボールも強いし、しぶとさもでてきた。最終学年になり、覚悟を決めて、自分からキャプテンを引き受けた」。
「広川には『君の目標がチームの目標になる。君のモチベーションがチームのモチベーションになる。君の取り組みがチームの取り組みになる』と言ってきた。その中で、予選決勝で勝って花園に行く、花園でも勝つという、彼の中のラインが崩れなかった。それが今年の学年が飛躍的に伸びた1つの大きな要因だった」と目を細めた。