「サーフィンで深刻な環境破壊に気付いた」実業家エリック・カワバタさんが語る海洋保全の今
“捨てるという概念を捨てる”というミッションのもと、あらゆるものをリサイクルするプログラムを検討、提供する「テラサイクル」と、循環型リユースプラットフォームである「Loop(ループ)」。 【写真8点】「実業家エリック・カワバタさんが思う海洋保全」を写真でチェック
ふたつの日本法人の代表であるエリック・カワバタさんが、この仕事に就いたのは、絶え間ない海への慈しみからだった。
企業活動と環境保護の両立を学んだ学生時代
ーーエリックさんは、テラサイクルとどのように出合ったのですか? エリック・カワバタ氏(以下 エリック) 大学院を卒業後、はじめは金融業界で働いていました。エコをテーマに資金調達をする債権の販売や、二酸化炭素排出権といった環境にまつわる市場を創出しようとしていたんです。 その後2009年頃から、環境コンサルティングを主としながら、同時にオーシャングリーンアソシエーションというNPO法人を立ち上げました。 日本周辺の海水温が上昇している原因と結果・解決策を研究するための機関として、いろんな技術実証実験を行っていました。そのときにテラサイクルと出合い、アメリカの本社にボランティアとして入りました。 当時のテラサイクルでは、アジアに拠点を置きたいという話が挙がっていたんです。なかでも日本では古くから「もったいない精神」が根付いているので消費者も関心を持つかもしれないと、この国で展開することになりました。 そして、テラサイクルジャパンが設立されたタイミングで、私も大きく携わるようになったんです。 ーーエリックさんは最初、環境に軸を置いた商品を金融界で販売されていたんですね。 エリック 一応やってはいました。興味を持たない人が大半でしたが、重要な視点であることに気づいている人もいましたね。 NPO法人のオーシャングリーンアソシエーションを立ち上げた際にも、海ごみや水温の上昇について、私たち以外に声をあげている団体はほとんどなかった。当時海の環境問題を扱っていたのは、私たちのほかに、「ジーン(JEAN)」という環境NGOだけ、というような状況でした。