菅首相が会見 臨時国会が事実上閉幕へ(全文1)環境対応が大きな成長を生む
基本的な感染対策の徹底を
これから年末、また年始を迎えます。高齢者はもちろんのこと、若者をはじめ国民の皆さまにおかれては、科学的にも効果が立証されているマスクの着用、手洗い、3密の回避といった基本的な感染対策を徹底していただくよう、あらためてお願いを申し上げます。 国民の命と暮らしを守る、そのために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、あらたな成長の突破口を切り開くべく、来週早々には経済対策を決定します。雇用調整助成金はパートや非正規の方々も含めて日額1万5000円の助成を行っており、こうした特例の延長に必要な予算を手当ていたします。さらに公庫による最大4000万円の無利子・無担保融資も来年前半まで今の仕組みを続けます。手元資金に困っている方々のための緊急小口資金については3月以来、約5000億円が利用されており、所得の減少が続いている場合には返済も免除しておりますが、これらの措置の延長も行います。 さらに緊急的な手当てとして、一人親世帯については来週予備費の使用決定をし、所得が低い世帯は1世帯5万円。さらに2人目以降の子供については3万円ずつの支給を年内をめどに行います。各自治体の事業者の支援など独自の事業に加え、営業時間短縮を要請した場合の、いわゆる協力金を国として支援するために、地方創生臨時交付金を1.5兆円確保します。これらの措置によって、現在の厳しい状況をなんとか乗り越えていただき、経済回復の足がかりとしたい。このように思います。
必要なのはポストコロナにおける成長の源泉
その上でわが国に必要なものはポストコロナにおける成長の源泉です。その軸となるのがグリーン、デジタルです。8年近くにわたるアベノミクスによって日本経済は最悪の状態を脱し、もはやデフレではない状況をつくり出し、人口減少の中で雇用者数を増やし、観光や農業の改革は地方経済に大きく貢献をしました。私が所信表明演説で申し上げた2050年カーボンニュートラルはわが国は世界の流れに追い付き、一歩先んじるためにどうしても実現をしなければならない目標であります。環境対応がもはや経済成長の制約ではありません。むしろわが国の企業が将来に向けた投資を促し、生産性を向上させるとともに、経済社会全体の変革を後押しし、大きな成長を生み出すものであります。 こうした環境と成長の好循環に向けて発想の転換を行うために、今回の経済対策ではまずは政府が環境投資で一歩大きく踏み込みます。過去に例のない2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間継続して支援をしていきます。無尽蔵にある水素を新たな電源として位置づけ、大規模で低コストな水素製造装置を実現します。水素飛行機や水素の運搬船も開発します。脱炭素の鍵となる【電化 00:16:05】にどうしても必要なのが蓄電池です。電気自動車や再生可能エネルギーの普及に必要な低コストの蓄電池を開発します。 排出した二酸化炭素もいわゆるカーボンリサイクルの技術を使って、プラスチックや燃料として再利用します。これらを政府が率先して支援することで民間投資を後押しし、240兆円の現預金の活用を促し、ひいては300兆円ともいわれる世界中の環境関連の投資資金をわが国に呼び込み、雇用と成長を生み出します。また自動車から排出されるCO2をゼロにすることを目指し、このため電気自動車などを最大限導入していくための制度や規制を構築します。 【書き起こし】菅首相が会見 臨時国会が事実上閉幕へ 全文2に続く