スズキ「フロンクス」とホンダ「WR-V」インド生産のコンパクトSUV。買うならどちらがおすすめ?違いは?
ただし、フロンクスは、発進時や加速時にエンジンの動力を電動モーターがアシストするマイルドハイブリッドシステムを採用している。電動モーターのスペックは、最高出力2.3kW(3.1PS)/800~1500rpm、最大トルク60N・m(6.1kgf・m)/100rpmだ。フロンクスには、こうした電動モーターのアシスト機能があるためか、両モデルを実際に乗り比べた感じでは、エンジンのスペック的な差はさほど感じられず、加速感などはほぼ互角だと思えた。
■トランスミッションの差が乗り味を変える ただし、採用するトランスミッションにより、両モデルの乗り味には違いも感じられた。WR-VがCVT(無段変速オートマチック)なのに対し、フロンクスはスポーツカーなどにも採用される有段ギア仕様の6速ATだからだ。とくに、フロンクスでは、パドルシフトを使いマニュアル操作をする際、ATらしい変速ショックをやや感じるが、それが逆にリニアな印象を受け、自分でクルマを操っている感覚を味わえた。
WR-Vにもパドルシフトが設定されているが、CVTなので、AT車のフィールとは少し異なる。減速度がスムーズすぎるとでもいうのだろうか、やや味気ない感じなのだ。このあたりは、ちょっとマニアックかもしれないが、スポーツモデルなどが好きなユーザーにとって、より走りが楽しそうなのはフロンクスのほうではないかと感じた。 フロンクスでは、ほかにも、WR-Vに設定のない4WD車もあり、路面状況に応じて選択できる走行モードも用意する。雪道での発進などに対応する「スノーモード」、滑りやすい路面でのスリップを防止する「グリップコントロール」、急な下り坂で加速を抑制する「ヒルディセントコントロール」といった3モードを採用。より幅広い走行シーンで高い安心感を提供する点でも、フロンクスのほうが上だといえる。
ちなみに燃費性能では、WR-VがWLTCモード値16.2~16.4km/L。一方のフロンクスはWLTCモード値17.8~19.0km/L。マイルドハイブリッドの効果もあるのか、燃費的にもフロンクスのほうが、若干ながら良好だといえる。 ■先進安全装備などの違い 先進安全装備などに関する充実度でも、フロンクスはWR-Vを上まわる。WR-Vにない「全車速対応ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」「電動パーキングブレーキ」「オートブレーキホールド」「ブラインドスポットモニター」なども装備するからだ。