「有為な人材輩出できる場に」 女性初の千葉商科大学長に就任する宮崎緑さん(66) 地域で輝く
令和7年4月、千葉商科大(千葉県市川市)の第9代学長に就任する。女性の学長は創立以来初めてだ。 同大の教壇に立つようになってから、四半世紀になる。「世の中が激しく変転するなか、50年後、100年後も末永く、大学が社会から信頼され、必要とされ、有為な人材を輩出できる場でありたい」と張り切る。 なにより「実学」を重んじる。「大学は教養を学ぶ場。歴史や文化を知ることは、人の痛みを分かるためにも大切なんです」 平成27年に国際教養学部の初代学部長に就任した際、新入生が入学式を済ませるとその足ですぐに海外に発(た)ち、学ぶという教育プログラムを組んだ。大学生活の第一歩を海外で始めることで、学生一人一人がこれから何を学ぶべきか自覚させた。 こうして国際的な視点を持ち合わせることで人生の土台を地球大で考え、行動できる。そんな学生たちを今後も育てていきたいと意気込む。 学長といえば一般的には組織の頂点に立つ存在だが、「私は逆で、あくまで一番下の受け皿。学生を教職員と一緒に持ち上げることで皆さん、幸せになると思うんです」。 学生には無限の力があると信じる。だからこそ、教育とはその力をいかに見つけ、引っ張り出してあげられるかというのが持論だ。 「令和6年は戦争や災害、闇バイトといった犯罪など、殺伐とした世相だった。令和7年は少し、ホッとできる年になるといいなと思いますね」 (村上智博) ◇ ■みやざき・みどり 昭和33年1月生まれ。神奈川県出身。慶応大大学院修士課程修了。NHKのニュースキャスターなどを経て、千葉商科大国際教養学部長などを歴任。政府が元号「令和」の決定前に意見を聴いた有識者会議のメンバーも務めた。鹿児島県奄美市にある「奄美パーク」の園長も兼務している。