八失人員、夜騎大軍、上岸、単身狗、白菜価…「2024隠語ベストテン」に見るトホホな中国
6. 地攤女友 (ディータンニュイヨウ)
「中国のシリコンバレー」と言われる、香港に接した最先端の経済特区・深圳(しんせん)。だが折からの超不景気の影響で、ご多分に漏れず、就職市場は「超超超超氷河期」だ。 そんな中、大学を出たばかりの女性たちが、路上に繰り出す新現象が起こり始めた。彼女たちは、男性が目の前を通り過ぎるたびに、思わし気な目つきで、ニッコリ微笑みかける。傍らには、こんな看板を掲げている。 <抱擁1元 両手を絡ませる手つなぎ5元 キス10元>(1元≒21円) 春をひさげば犯罪行為だが、ここまでならギリギリ、売春の罪に問われないのだとか。中には行列ができ、ファーウェイのエリート社員並みに稼ぐツワモノ美女もいるという。
7. 単身狗(タンシェンゴウ)
いまから21年前に、エッセイストの酒井順子氏が『負け犬の遠吠え』(講談社刊)を上梓した。「30代以上・未婚・子ナシは『女の負け犬』なのです!」というセンセーショナルなキャッチフレーズは、おそらく酒井女史が思っておられる以上に、東アジアの若者たちに影響を与えた。 中国も例外ではなく、その後、「恐婚族」(コンフンズー=結婚恐怖症の人たち)という流行語を生んだ。その最新形が、「単身狗」である。 直訳すると、「独りぼっちの犬」。こちらは男女ともに未婚者に使う。「単身男狗」からは、「どうせ自分はマンションもクルマも買えないし、結婚相手なんか見つからない」という嘆き節が聞こえてきそうだ。 ちなみに、今年1月から9月までの婚姻件数は、約474・7万件。これは10年前の同期1306万件の約3分の1にすぎず、昨年同期と比べても16%もの下降だ。
8. 千金粧容 (チエンジンジュアンロン)
「千金」とは「富豪」のこと。「粧容」はメイク(化粧)。そのため直訳すると、「金持ち風メイク」となる。キラキラした中に可愛らしさを持つ最新型の「中華メイク」だ。 この語の起源は諸説あるが、最も有力な説は台湾のタレント・欧阳娜娜(オーヤン・ナナ)が始めたというもの。格安の化粧品でもそれなりの「千金粧容」ができるため、節約志向の強い中国の若い女性たちの間で流行している。