電動自転車で富良野を走ってピザづくり&ワイナリーへ! 動物にも癒やされる旅【後編】
野菜収穫後はピザ生地づくり。北海道産の小麦も薄力粉と塩、ヨーグルト(!)をしっかりとこね合わせる。オリーブオイルを加えたら玉生地を綿棒でのばしていく。筆者はここ、北海道の形にしてみた。しかも利尻島つき(上写真)。なかなか手が込んでいると自画自賛しながら、これを焼いて頬張ると……。まず野菜の味の濃さに驚く。加熱されたミニトマトは甘みも酸味もしっかりだ。サイクリングで疲れた体に、またしっかりパワーが湧いてくるのを感じた。
空気が澄んでいる富良野は、ナイトウォッチング、つまり星空観賞(上写真)や夜行性の動植物の観察などにも最適だ。ただ、この日は夏至で日の入りが遅かったうえ、月が明るく、空には薄雲が広がっていた。満天の星を見るには不向き。少々落胆しながらツアーバスに乗り、『北の国から』の舞台となった麓郷一帯が見渡せる展望台へ向かう。すると道中、車窓からは道路を渡るキタキツネ、その先の草原を駆け抜けるエゾシカの群れを目撃! 北海道の大自然を肌で感じた。展望台に着くと、幻想的なおぼろ月を見られて、これまた大感激! 今度はまたたく星たちを望みに、もう一度訪れてみたい。
“ヤギとつくるワイン”って何だ!? 子ヤギを愛でながら学ぶ
ノゾ・ホテルから車で10分ほどの「ドメーヌ・レゾン」は、ヤギとの共生を通じて自然循環型のワイン生産を実現したユニークなワイナリー。ブドウ畑でヤギを飼い、①ヤギが畑を走り回り土を耕す、②ヤギが畑の雑草を食べる、③そのヤギの排泄物を堆肥にする、④その堆肥とワインの搾りかすや発酵後の澱(おり)を混ぜて肥料にする、ことで、高品質なワインづくりと環境保全の両立を目指している。 施設内では、その“ヤギとつくったワイン”を試飲できる。北海道の冷涼な気候と豊かな土壌の恩恵を受けた、フルーティーで爽やかな味わい。白ブドウをベースに、赤ワインと同じように皮や種も一緒に仕込む醸造法でつくられたオレンジワインも人気だ。 ここでは、ヤギのいる畑や仕込み場、醸造場、樽貯蔵室など、こだわりが詰まったワイナリーのバックヤード見学ツアーも無料で実施している。ツアー中には、かわいい子ヤギに触れてエサやミルクをあげることも可能。 以上、デジタルデバイスから離れてホテルでリラックスし、富良野ならではの体験をした2泊3日。間違いなく心身ともにリフレッシュでき、新たなエネルギーに満たされる感覚を味わえた。 取材協力:ノゾ ホテル(住所: 北海道富良野市北の峰町14-38 電話:0167-23-1088) Text:鈴木博美