ランチのセットドリンクは「紅茶」を「食前」にが正解…1杯の紅茶が”血糖値の上昇”を抑える科学的な理由
ふだん何気なく飲んでいる紅茶が、実は驚くべき健康効果を秘めていることをご存じですか?免疫力向上、ウイルス撃退、ダイエット、血管の健康維持、ストレス解消、口臭や歯周病……。 【マンガを読む】外国人が「日本のトンカツ」を食べて衝撃!感動が止まらなかった理由 「ブルックボンドハウス」副支配人、「ユニリーバ」マーケティング、「リプトン」PRを経て、現在は紅茶専門店&紅茶スクールオーナーである英国紅茶研究家の斉藤由美氏は、今、紅茶が、あらゆる私たちの健康に関する困りごとに役立つことがわかってきて注目を集めていると語ります。 本稿では、同氏によるロングセラー『世界で愛される自然の万能薬紅茶セラピー』(ワニブックス刊)より、食事と一緒に紅茶を飲むことで食後の血糖値上昇を抑制したり、血管内皮損傷のリスクを軽減するメカニズムについて、内容を抜粋して紹介します。 『老化を退け、肥満・糖尿病・高血圧にも効果あり…科学的に実証された紅茶の「すごい効能」』より続きます。
紅茶の抗酸化力を最大に活かすポイント
そしてもうひとつ、抗酸化物質は単体でも効果はあるのですが、ほかの抗酸化物質と一緒に摂取することによって、相乗効果でさらにパワーアップするのだそうです。 つまり、同じ目的を持った仲間同士が出会って、活性酸素をやっつけようという力がより強くなるという点が、重要ポイントその2。 紅茶はさまざまな食材との相性がよいため、食事と一緒に味わったり、食材を紅茶に入れたりして、プラス効果を得やすい飲み物ともいえますから、とても実践しやすいというメリットがあります。 紅茶は、味わいのよさや意外性だけではなく、この抗酸化物質のプラス効果という点から考えても有意義なものだといえましょう。
ベジタブルファースト・ウィズ・ティーで体をコゲつかせない
日本は、飲料の種類が豊富で、ペットボトル飲料や缶飲料も次から次へと新たな商品が登場します。外食シーンでも選択肢が実に多いので、いつも紅茶にしようと決めていても、あれこれ目移りしてしまい、きっと迷ってしまうことでしょう。 また、イメージ的にも紅茶というと、ケーキと一緒に午後のティータイムという先入観に支配されがちな飲み物でもあります。ですから、日本においては紅茶を飲むシーンが限定されがちなことは否めません。 もしもこの紅茶に、食事中に飲むことで、健康にプラスになる効果があるとしたら、いかがでしょうか。そんな朗報が、いくつかの研究によって報告されているのです。 その中で注目されているのが、紅茶による食後の血糖値上昇抑制効果です。血糖値とは、血液中の「グルコース」(ブドウ糖)の濃度を表す数値のこと。グリコーゲンと名前が似ていますが、グリコーゲンは、複数のグルコースが結びついた物質です。 私たちが食事をすると、一時的に血糖値が上がります。すると「インスリン」というホルモンが分泌され、平常値に戻すよう指令が出されます。 血糖値は食事の内容や体調によっても変化し、高い状態が続くと体に悪影響を及ぼし、糖尿病をはじめとする生活習慣病のリスクが高まるのです。 食事のとき、食べる順番を考えて、できるだけ野菜から食べるようにしましょうという話を聞いたことはありませんか? これは、野菜を最初に食べることで、食後の血糖値上昇がゆるやかになることがわかっているからです。 どんなにお腹が空いていても、どんぶりご飯からガツガツと食べてしまっては、血糖値が急激に上昇するためよくありません。「食事はベジタブルファーストで」というキャッチフレーズがあるほどです。 そしてここに紅茶が加わると、さらによいことがわかりました。紅茶を飲みながら食事をすると、食後の血糖値上昇を抑えることができるのです。 「ベジタブルファースト・ウィズ・ティー」。今日からは、食事のメニューに紅茶も加えてみましょう。 食後ではなく、食前、食中に水感覚で飲むことをおすすめします。セットドリンクのタイミングは食後派が多いように見受けられますが、血糖値上昇を抑える効果を狙うなら、食前に出してもらいましょう。