事業承継を推進するコマースメディアに、ブランディング専門家の河野貴伸氏が参画。日本の課題やめざす未来とは? 井澤代表と河野氏が対談
単に業種・業態で相性を見るのではなく、商品・サービスへのこだわりやプライドを重視している。一緒に取り組んだときのイメージが湧く企業であれば、小売業や飲食店などの選択肢もある。こだわりの商品・サービスが“続いていく価値”を大事にしたい。
河野:少しおこがましいかもしれないが、井澤さんも私もどこかで「日本の将来を良くしたい」という思いがあり、長期的なROIで考えると、目先の売り上げなどではなく、持続させることが重要だと捉えている。 森野:確かに、国内には縮小した挙句、途絶えてしまったものも少なくない。それを憂いている気持ちや残したい思いが、お2人に共通していることがよくわかった。
日本のものづくりが世界に打って出られるように。“続ける価値”を共有できる文化を作り上げる
森野:コマースメディアとして、中長期的にどのような会社になりたいのか、ビジョンなどはあるのか。 井澤:日本はまだまだコマースメディアが従来から行ってきた「全体の支援」が必要な国だと思っているので、そのためのパワーをより付けていかなければならないと考えている。そのために、今は越境EC支援にも力を入れており、2024年からは「Global e」を使って日本の良いものを海外向けに販売する運営代行も始めたところだ。 「全体の支援」を強化しつつ、事業承継も大きく伸ばしていきたい。承継する社数や業種が増えれば、その分当社にはさまざまな情報や知見が集まるだろう。当然、当社だけで悩んでいるすべての企業を事業承継して支援できるわけではないので、集まった情報や知見を広めながら、“続ける価値”を共有できる文化を作り上げられればと思っている。
河野:コマースメディアがこれから行おうとしていることは、「事業承継」の言葉に留まらない、「事業承継のトランスフォーメーション(変革・革新)」なのだと思う。コマースメディアがその旗振り役になることで、日本のさまざまな企業が次々とトランスフォーメーションしていき、日本のものづくりが世界に対して打って出る動きも活発化すると期待できる。私はそれが長期的なコマースメディアのミッションだと捉えており、そこに沿ったビジョンから、組織体制や採用など多くのやるべきことを導き出して進めている。