事業承継を推進するコマースメディアに、ブランディング専門家の河野貴伸氏が参画。日本の課題やめざす未来とは? 井澤代表と河野氏が対談
河野:そうだとうれしい。井澤さんはすべての事柄をしっかり俎上に上げてくれるからこそ有意義な議論ができる上、私やもう1人の担当者からも、気になる点はすぐ井澤さんに意見することができている。経営者のなかにはすべてを俎上にあげない人もいるが、それでは私たちは何もできなくなってしまう。そのため、井澤さんの行動にはすごく感謝しているし、尊敬もしている。
■ 商品やサービスそのものが良いことが大前提。ブランディングは「良いものを世の中に正確に伝えるための手段」 森野:井澤さんがコマースメディアの売り上げや規模ではなく、承継する事業を順調に続けていくことに主眼を置いているからこそ、そういった行動がとれるのだろう。 今後も事業承継してほしい企業からの相談が増えそうだが、どのような企業がコマースメディアと相性が良いのだろうか。 井澤:やはり大前提として、ものづくりやブランド作りをしている企業であれば、それを見極める河野さんと、経営・運営をする私で支援できるので、かなり相性が良いと思っている。 森野:こだわりのある良いものを作っていても、売り方に悩んでいる企業は多いかもしれない。 河野:私たちはものづくりをしている方々に対するリスペクトがベースにあるからこそ、力になりたい意思を強く持っている。そのため、ものづくりにプライドを持っている企業とは、きっとお互いに楽しく取り組めるだろうと考えている。 ブランディングやマーケティングをずっと手がけてきて思うのは、やはりプロダクトやサービスそのものが良くない限り、どれだけ化粧を施してもダメなものはダメ。ブランディングやマーケティングは、あくまでも良いものを世の中にわかりやすく正確に伝えるための大事な手段だからだ。 井澤:なので、事業承継を望む企業が通販をしているか否かはまったく関係ない。最近は、自社サイトすら持たない酒類の卸会社を承継した事例もある。プライドを持って卸商品をセレクトし、価値を作り上げてきた企業だったので、「ぜひ力になりたい」と思った。