事業承継を推進するコマースメディアに、ブランディング専門家の河野貴伸氏が参画。日本の課題やめざす未来とは? 井澤代表と河野氏が対談
森野:コマースメディアが事業承継を進めるため、2024年5月にExecutive Aide Producerとして河野さんが参画した。経営者や事業責任者の参謀として、インターナル/エクスターナルブランディングを手がける役割だそうだが、どういったプロデュース支援をしていくのか。 河野氏(以下、河野):これまでのブランディングは企業に対する働きかけがメインだったが、今は人の方がより大事になってきている。 たとえば、コマースメディアという企業をブランディングする場合、企業をきれいに見せるのではなく、井澤さんが力を発揮できる状況を作り、なおかつ社員がそこにうまくリンクして動けるようにするのが重要ということだ。つまり、経営そのものを盛り立てていく応援団と言える。私自身、従来型のブランディングより、今はもっと人に寄った支援に最も重きを置いている。 森野:社内にしっかり入り込んでいき、経営者や従業員と密にコミュニケーションを取りながら進めていくとなると、確かに今までのブランディング支援のイメージとは違うように思う。井澤さんは以前から河野さんと交流があり、河野さんの得意とするブランディング支援を知っていたからこそ、参画してほしいと声をかけたのだろうか。 井澤:その通りで、河野さんが創業したフラクタも主にブランディングを手がけており、コマースメディアのミッションやバリューを一緒に作っていた時期もあった。河野さんはコマースメディアについてよく理解してくれている。また、河野さんと私の得意領域が異なることも、互いに補完し合える相性の良さがあると前々から考えていた。 河野:今までの経験から、経営者として組織を率いていく役目はあまり向いていないという結論に至った。だが、井澤さんはそれができる人。ならば、参謀として一緒に働いたらきっと楽しいだろうとシンプルに感じ、参画を決めた。 森野:すでにお2人の良い関係性が見て取れる。井澤さん、河野さんはECプラットフォーム「Shopify」が出てきたタイミングから「Shopify」を使い、発信もしていた。そのため、「コマースメディアがより『Shopify』関連事業を強化するのではないか」と想像する人も多そうだが、そうではなく、「事業承継の推進に向けて手を取り合った」ということか?