J1神戸・吉田監督「全てのタイトルを目指す」 今季クラブ創設30周年&阪神・淡路大震災発生30年の節目
昨季J1でクラブ史上初のリーグ戦2連覇を果たし、天皇杯との2冠も達成した神戸が8日、神戸市のいぶきの森球技場で始動した。兵庫県出身の吉田孝行監督(47)はクラブ創設30周年の今季、全タイトル獲得を宣言。1995年1月の阪神・淡路大震災から30年という節目に、神戸の街の復興とともに歩んできたクラブが、偉業を目指す。 最低気温2度と震える寒さの中、神戸がリーグ3連覇に向けて始動した。クラブ創設30周年、そして阪神・淡路大震災から30年の今季。復興とともに歩んできたクラブが、地元の人々の希望の光となる。 「チームとしても30周年ですし、震災とともに立ち上がってきたクラブでもある。しっかりと見ている人に勇気を与えられるような存在にならないといけない。今シーズンまたタイトルを取れるように、見ている人に勇気を与えられるようにしたい」 吉田監督が力を込めた。始動日のミーティングでは選手に向けて「全てのタイトルを目指す。それで兵庫の人、神戸の人を勇気づける」と宣言。約1時間半、ボール回しなどでFW大迫やFW武藤ら主力組も精力的に体を動かした。 17日で阪神・淡路大震災発生から30年を迎える。30年前、吉田監督は兵庫・滝川二高3年。卒業後は横浜フリューゲルス入団が内定していた。震災発生時は登校する前で、川西市の自宅の洗面所で顔を洗っていたという。自宅への被害は少なかったが、周囲一帯は停電。友人らの安否を確認することもできないまま、「連絡手段もなかった。そのまま学校に行かず、プロになった」と地元を離れた。 生まれ育った神戸のクラブを率い、一昨年は悲願のリーグ制覇。昨季はリーグ連覇と天皇杯優勝の2冠をもたらした。今年目指すのは全てのタイトル。まずは2月8日に行われる広島との富士フイルム・スーパー杯(国立競技場)を制し、今季最初のタイトルをつかむ。(西垣戸理大) ■契約を更新し、今年も神戸でプレーするFW武藤 「ここでこそ自分が輝ける。家族も背中を押してくれた。お金よりも重要なものがある。アジアチャンピオンになるといった目標をまだ成し遂げていない。個人としては(J1の)MVPを2年連続狙っていきたい」