子どもが“自立しなくなる”片づけの「禁断ワード」とは? “片づけられない子”のまま大人になるかもしれない危険性…
「捨てる」「いらないモノ」は一切言わない! 実際に上手くいった方法って?
捨てるものや、いらないモノを選ぶという作業は、子どもにとって進んでやりたくない作業です。大人にとっても捨てるモノを探す作業は大変ですよね。 まず、「捨てる」「いらないモノ」というワードは一切言わないことにしました。その代わり、「○○ちゃんの好きなモノを教えて?」と好きなものを選択させました。捨てるものは選べなかった我が子ですが、「好きなモノは?」と聞かれると、楽しそうに選び始めました。 他にも、「一番好きなおもちゃはどれ?」「好きな順番に並べてみて」と言うと、子どもは悩みながら答えてくれました。「どうしてそのおもちゃが好きなのか?」を聞くと、「一番かわいいから!」「この子は仲間だから!」と目をキラキラさせて話してくれました。理由を聞くと、子どもなりのおもちゃへの想いを知ることができました。子ども自身も、今まで意識していなかったモノへの想いに気づいたり、自分で選択することで自己決定が徐々にできるようになってきます。そして、あまり気に入っていないおもちゃも分かります。 あまり気に入っていないおもちゃに関して、「お気に入りのおもちゃは残して、順位の低いおもちゃは別のところに置いておこうか?」と提案すると「いいよ」とあっさりと言いました。 ここで、子どもの様子を見て、「他のお友達に譲ってもいいかな?」「たくさんおもちゃがあるとおもちゃが喧嘩になっちゃうから他の人にあげてもいいかな?」など聞ける場合は聞いてみましょう。拒否する場合は無理に説得せず、「じゃあ別の場所に置いておくから使うときに言ってね」と言って、様子を見てまた声掛けをしましょう。 今までは捨てることを前提で声掛けをしていたので上手くいきませんでしたが、このやり方だと子どもの「好き」という意思を最大限に尊重しているので、子どもは納得して手放しやすくなります。
親が奪っている!? 子どもの「自分軸」
子どもの意見を聞きながら整理していると、親が願っている答えにならず、つい口を出したくなってしまうことがあります。しかし、親は自分の価値観を押し付けないように気をつけましょう。 例えば、子どもが「これは使わない」とか「気に入っていない」と言ったおもちゃに対して、「これは高かったんだよ」「これで遊ぶと頭が良くなるんだよ」「あんなに欲しがって買ったのに本当にいらないの?」などと親は言いたくなってしまいます。 そして子どもは親から言われると、何となく手放してはいけないという空気を察知して、「じゃあやっぱり使う」と言って、取っておく選択をします。 これは親が子どもの選択を邪魔していることになりますよね。子どもには「高かったから」などの理由は関係ありません。今、自分軸で好きなものを素直に選んでいるのです。親が子どもの選択を邪魔していると、いつまでたっても自立はできません。 親が期待するゴールと違うところにいったとしても、子どもの選択を大切にしてください。子どもが手放せないのではなく、親の方がモノに執着していて手放せない場合は非常に多いです。 上記のやり方で子どもとコミュニケーションを取って整理をすることは、親にとっては負担がかかります。時間がなくてやってられないと思うかもしれません。 けれど、片づけを通して「選択する」という練習をすると、子どもは徐々に判断力や決断力が磨かれていきます。いつまでも親が「片づけて」と言わなくても自分でモノを選び、買い物をするときも、好きではないモノは買わないように気をつけるようになります。長い目で見ると、それは子どもにとっても親にとってもいいことです。そして情報やモノに溢れる時代を、少なくとも「全部いる!」と判断できず、管理できなくはならないと思います。 人生は決断と選択の連続。子どもと一緒に片づけることは子どもの判断力、決断力を磨き、自立の手伝いをさせる練習になります。そう思いながら、今から少しずつ、子どもに好きなモノを聞くという声掛けをしてみませんか?
【Profile】ありママ(@arima1987_home)
7歳、5歳姉妹のママ。大学卒業後、東京都内の中学校教師を4年、地方の中学校教師として8年間の計12年間勤務。 出産後、子育てでモノが増え、一気に汚部屋の住人に。育休明け仕事復帰をしたが、モノの多さとタスクの多さに疲れ果てて、捨て活を開始。片付ける過程や片付けて気づいたことをインスタで発信、2023年退職し、フリーランスに。整理収納アドバイザー1級、クリンネスト1級取得。
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