新しいアウトドアブランド「NNormal(ノーマル)」、その新しさとテクノロジーに迫る
世界的な山岳アスリートであるキリアン・ジョルネッサンスを立ち上げた、アウトドア・スポーツギアブランド、NNormal(ノーマル)。そのプロダクトは、スペイン・マヨルカ島でデザインされ、心理学のトレーニングを積むノルウェーのフィヨルドでテストされているという。 日本には2023年10月に上陸。ジワジワとファンを増やしている。ノーマルはどのようなブランドなのか。そして、注目のニューモデル「 Tomir 2.0(トミール 2.0)」には、どのようなテクノロジーが秘められているのだろうか。
自然を敬い地球環境に配慮したものづくり
キリアン・ジョルネ氏は、2007年、2008年、2009年にスカイランナーワールドシリーズの年間王者を獲得。トレイルランニングの最高峰レースであるUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)では4度の優勝を果たしている。 さらに、単独で酸素ボンベ、無線、ロープを使わずにエベレストを6日間で2度登頂するという偉業を達成。その模様は『「雲の上へ」6日間でエベレスト2度登頂の偉業への道』(キリアン・ジョルネ著)という書籍にもなっている。 そんなキリアン・ジョルネ氏が手がけるノーマルがローンチされたのは2022年のこと。スペイン・マヨルカ島に拠点を持つ老舗シューズブランド、CAMPER(カンペール)とパートナーシップを結び、「自然を楽しみ、敬う気持ちを起こさせる本物志向と実用性」をテーマにものづくりを行っている。 ブランド名はノルウェイ(Nor-way)とマヨルカ(Mal-lorca)を組み合わせたもので、普通ではなく(No-Normal)新たな道を模索するという意味を込めてNNormal(ノーマル)と名付けられたという。 ブランドのローンチ時に「カンペール社とは、環境とアウトドア活動に関して新たな考え方と行動が必要だという同じ価値観を共有できたことが、このプロジェクトを始める強い動機になりました。 私たちがどのように商品を生産し、社会と環境のために企業がどのような役割を果たしていくかについて、誠実であり続けたいと思います。透明性を確保し、耐久性のある製品をつくることで過剰な消費を避けるよう努力します。 環境に与える影響を小さくするために、さまざまな素材を取り入れ、さまざまな生産過程を模索する必要があります。長く困難な道のりですが、それが私とチームを動かし、このプロジェクトをスタートさせる原動力になっています」と、キリアン・ジョルネ氏がコメントしているが、「高い機能性はもちろんですが、サステナブルであることもノーマルの大きな特長です」と、カンペールジャパン ノーマルチーム プロダクトマネージャーの牛山旬平氏は言う。 ノーマルは、B Corp認定を取得し、1% for the Planetのメンバーでもある。B Corpとは、アメリカの非営利団体B Labによる国際認証制度。環境や社会に配慮した事業を行い、透明性や説明責任などといった、B Labが定めた厳しい基準をクリアした企業に対して認証が与えられる。1% for the Planetとは、企業や個人の収益の1%を自然保護に寄付する、 世界中の5,000社以上からなるグローバルネットワークだ。また、2020年に発足されたKILIAN JORNET FOUNDATION(キリアン・ジョルネ財団)では、山岳環境の保全に取り組み、縮小する氷河の研究の支援、教育活動などを行っている。 「シューズやアパレルのカテゴリーごとのカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量を二酸化炭素量に換算したもの)や、どこの工場で作られているかもホームページ上に公開しています。透明性の高さもノーマルの魅力だと思います」