約10万円で手に入る、手の平のライカ画質を搭載したコスパ抜群のスマホ『Xiaomi 14T』シリーズ実機レビュー
2024年10月10日、シャオミ・ジャパンから新しいスマホ『Xiaomi 14T』と『Xiaomi 14 T Pro』が発表された。今年5月に発売された『Xiaomi 14 Ultra』のバリエーションモデルにあたる立ち位置だが、価格を抑えつつも高い機能性はそのまま維持している。 【画像】詳細スペックや作例など。 『Xiaomi 14T』はauおよびUQモバイルから、2024年12月中旬発売予定。『Xiaomi 14T Pro』はソフトバンク独占で販売予定で、2024年11月下旬発売予定。『Xiaomi 14T Pro』についてはオープンマーケット版も発売予定で、こちらの価格はRAM12GB / ストレージ256GBモデルが10万9800円、RAM21GB / ストレージ512GBモデルが11万9800円。 ■ハイエンドモデルの機能性を手頃な価格で実現 まずは『Xiaomi 14T Pro』から。オープンマーケット版の価格では約11万円からとのことだが、トリプルカメラレンズや本体の質感などはさながらハイエンドモデル。価格以上に高見えするスマホに仕上がっている。 さて、本機は『Xiaomi 14 Ultra』に続くライカ監修のカメラを搭載したモデルでもあり、XiaomiのTシリーズスマホにおける初のライカモデルでもある。『Xiaomi 14 Ultra』の価格は約20万円だったが、およそ半額でライカ画質を楽しめるスマホが登場したというわけだ。ただし、可変絞りを搭載しているのは『Xiaomi 14 Ultra』のみとなり、プレミアムさは健在。 本体のデザインに注目してみると、エッジは前面も背面もわずかにラウンドしている。レンズ周りのラウンドとも調和がとられており、高級感のある佇まいだ。背面素材はアルミニウム合金のメタルフレームを採用している。 SoCにはMediaTek社のDimensity 9300+を採用。また、本機にはオンデバイスとクラウドサーバーを活用したAI機能『Advanced AI』が搭載されているが、同機能も十全に動かせるパフォーマンスを発揮している。 バッテリーは5,000mAhで、120Wの急速充電およびQi規格によるワイヤレス充電に対応。FeliCaにも対応しており、『Xiaomi 14 Ultra』では使えなかったおサイフケータイに対応した点は大きいだろう。むしろこの一点で、『Xiaomi 14 Ultra』より本機を選ぶ人も少なくないかも? ■見た目は瓜二つ、性能もかなり近い 次は『Xiaomi 14T』。といっても、基本性能は『Xiaomi 14T Pro』とほとんど変わらない。異なるのはSoC、充電速度、そしてわずかなカメラ機能あたりだ。具体的には、本機のSoCはDimensity 8300-Ultraを採用。充電は最大67Wで、ワイヤレス充電には対応しない。カメラ機能は『Xiaomi 14T Pro』のほうがわずかに明るく、かつ望遠側の焦点距離が10mmだけ長い。 ・『Xiaomi 14T Pro』のカメラレンズ…VARIO-SUMMILUX 1:1.6-2.2/15-60 ASPH.(Xiaomi独自のイメージセンサーを搭載) ・『Xiaomi 14T』のカメラレンズ…VARIO-SUMMILUX 1:1.7-2.2/15-50 ASPH. ■「写真の腕が上達した?」と錯覚してしまう、ライカ画質 ここからは『Xiaomi 14T Pro』で撮影した作例写真を交えて、カメラ性能について語りたい。ライカと共同開発したカメラシステムは本機最大ともいえる特徴であり、スマホカメラを楽しみたい人にとっても気になる要素と言えるだろう。作例を見てもらいたいが、10月の夕方18時頃、かなり暗い時間帯での撮影だったが、夜景ならではの豊かなダイナミックレンジが描けている。ライカシステムを印象付けるウォーターマーク(写真下の透かし情報)のおかげで、見せ方の面でもひと工夫楽しめるだろう。 レンズ構成はメインが23mmの5000万画素、望遠が60mm5000万画素、超広角が15mm1200万画素。このうちメインのセンサーにはXiaomiが独自開発したLight Fusion 900イメージセンサーが採用されている。センサーサイズは1/1.31インチで、13.5EVのダイナミックレンジを捉える。 23mmのメインカメラで撮影した写真だが、撮影時に感じた模様への関心や陰影のリズムなどがかなり忠実に再現されていると感じた。ノイズも少なく、暗所撮影であっても高品質な作品を切り取れるポテンシャルがある。個人的に、この23mmのレンズは動画撮影に使いたいと感じた。超広角の夜景は、ややディテールの欠損や夜闇ののっぺり感が気になるか。解像度の低さも影響しているかもしれない。 ポートレートモード内には、ボケ感の異なる絵柄を選べる『マスターレンズシステム』なる機能が内蔵されている。この機能は『Xiaomi 14 Ultra』に搭載されていたのと同様のものだ。 『マスターレンズシステム』から75mmを選択して撮影した。ピント面と写真奥のキッチンカーとの距離は10mもなかったが、一眼レフのような玉ボケを作ることもできた。イルミネーションやネオンなどの撮影がより一層楽しくなるカメラといえるだろう。 ■約10万円で手に入る、手のひらライカ画質 正直、この価格でこれだけの画質と機能性を備えられてしまうと「すごいな、シャオミ…」という感想しか出てこない。『Xiaomi 14 Ultra』に搭載されている可変絞りこそオミットされているが、撮影時はそこまで不利に感じることはなかった。絞りによって光芒を作り出せるのは『Xiaomi 14 Ultra』にしかない利点だが、今回試した『Xiaomi 14T Pro』でも本格的な写真撮影が楽しめるだろう。「Xiaomi 14 Ultraのカメラ機能が気になるけど、あの価格は…」という人には、ぜひ検討してもらいたいモデルだ。 一方で、ミドルレンジ価格のAndroidとして見ても優れたコスパを発揮している。Dimensity 9300+のAnTuTuスコアはRAM12GBで200万を超えており、Snapdragon 8 Gen 3とほとんど変わらない。つまりSoCの面でも妥協はしておらず、ミドル価格のハイエンド機めいたモデルになっている。 日本国内において、シャオミのスマホは出荷台数ベースでAppleとGoogleに次ぐ第三位に位置しているとのこと。独自機能とコスパを軸に展開するシャオミは、これからも成長していくだろう。
ヤマダユウス型