フリーランスのライターが、ADHDを公表する理由とは。生きやすい環境を作るには「苦手なこと」と「対処法」をセットで伝えて
2024年11月1日から、フリーランスが安心して働ける環境整備を目的とした法律「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行されました。フリーランスという働き方が普及するなか、ライターのいしかわゆきさんは、不注意や多動・衝動性などの特性がある「ADHD(注意欠如・多動症)」を抱えながら、フリーランスとして活躍しています。そこで今回は、いしかわさんの著書『ADHD会社員、フリーランスになる。 自分らしく生きるためのお仕事ハック』より一部引用、再編集してお届けします。 【書影】独立ステップ、人脈作り…フリーランスのリアル、全部見せます!いしかわゆき『ADHD会社員、フリーランスになる。 自分らしく生きるためのお仕事ハック』 * * * * * * * ◆わたしがADHDを公表する理由 わたしは日常生活でもSNS上でも「ADHDなんですよね~」と大っぴらに言っているのですが、「それを公に言えるのってすごくないですか!?」とよく驚かれます。 たしかに、自分の特性をオープンにすることで「この人はADHDだから仕事をお願いするのをやめておこう」と思われたり、何か大事なチャンスを失ったりしている可能性もあるかもしれません。 わたしとしても決してドヤ顔で誇ることではないし、むしろマイナスに響くことの多い特性だとも感じています。 でもさぁ、それを嘆いたところで仕方なくね?
◆苦手なことの克服は難しい たとえば、自分が人見知りだったとして、それを隠すよりも 「人見知りなので挙動不審になるかもしれないけど気にしないでね」 「初対面の人がいると黙っちゃうのでリードしてもらえたら嬉しい」 とあらかじめ伝えておくほうが、無駄に心配させないし、飲み会の場で硬直していたとしても理解してもらえると思うのです。 もちろん仕組みで解決できるところは頑張って解決するけれど、苦手なことを克服するってめちゃくちゃ難しいことです。 だったら最初から公表しておいて、お互いにやりやすい方法を考えるほうが建設的だし、そういう自分をある程度許容してくれる人と仕事をしたほうが双方にとって幸せだと思います。
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