MIXI、悲願の「夢のアリーナ」三井不動産と開業 木村社長がスポーツ事業のねらい語る
設立25周年を迎えたMIXIが、三井不動産との共同事業でBリーグ・千葉ジェッツの新ホームアリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ)」を千葉県船橋市に5月29日開業した。Mr.Childrenが7月6日に柿落としを行ない、10月5日にはいよいよBリーグ2024-25シーズンの開幕戦を迎える。 ららアリーナ 東京ベイはJR南船橋駅から徒歩6分に位置し、収容人数は約1万1千人。地上4階建ての延床面積約31000m2で、センタービジョンやリボンビジョン、VIPエリアや飲食販売コーナーなどを常設し、約720m2のサブアリーナも併設している。 空前のアリーナ建設ラッシュの中、トヨタ自動車とトヨタ不動産、トヨタアルバルク東京の3社が推進する2025年秋開業予定の「TOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)」や、ディー・エヌ・エーと京浜急行電鉄が共同開発を進める「川崎新アリーナ(仮称)」* などとともに注目の首都圏・民設民営の大型多目的アリーナだ。* 建設業界の人手不足などを理由に開業時期を見直し(28年10月から2年程度先送り)/10月1日ディー・エヌ・エー発表 MIXIは、SNS「mixi」とスマホゲーム「モンスターストライク」に次ぐ事業の柱として「スポーツビジネス」に狙いを定め、2019年にプロクラブ経営などの観戦事業と公営競技事業(現:ベッティング事業)を主軸に本格参入。Bリーグの千葉ジェッツにJリーグのFC東京、競輪・オートレース車券販売サイト『チャリロト』運営のチャリ・ロト、競馬総合情報メディア『netkeiba』運営のネットドリーマーズの子会社化や、堀米雄斗選手をはじめとしたアスリートへの支援など、精力的に事業を推進してきた。 売上高構成比でも、本格参入初年度の約5%から、4年で2割超へと成長。悲願だったとも言える今回のフラッグシップ施設の開業で、モンストなど既存事業との相乗効果も含め、更なるスポーツ事業の拡大加速を目指す。 MIXI代表取締役社⻑の木村弘毅氏に、新アリーナ、スポーツ事業にかける想いや戦略について聞いた。 ──2018年からサポートを続けている、スケートボード・堀米雄斗選手のパリ五輪での金メダル獲得や、子会社・千葉ジェッツふなばしの新ホームアリーナ「ららアリーナ東京ベイ」のオープンなど、25周年という節目に、スポーツ分野でのニュースが続いています。MIXIにおけるスポーツの位置付けと現況についてお聞かせください。 木村弘毅氏(以下、木村):2004年に提供を開始したSNS「mixi」に続いて、2013年にローンチしたスマホゲーム「モンスターストライク(モンスト)」が ヒットし、当社では一時モンストが全売上の約9割を占める収益構造となっていました。 モンストに次ぐ「新たな事業の柱」の構築に迫られ、2015年にエンターテインメント全域を対象に立ち上げた事業ブランド「XFLAG」をもって、2017年頃からスポーツ領域に注力し始めました。 そして社⻑に就任した翌年の2019年にプロスポーツクラブ経営などの観戦事業と公営競技事業に着手して、スポーツビジネスに本格参入しました。スポーツをエンターテインメントと捉え、家族や友人などと一緒にワイワイ盛り上がれるコミュニケーションの場を創出してきました。 スポーツ事業への本格参入初年度、2020年3月期の売上高構成比は約5%でしたが、2024年3月期には約23%になり、売上高約329億円と、4年間で着実に成⻑しています。公営競技事業ではオーストラリアにおいて、連結子会社の現地法人が日系企業として初めてベッティングライセンスを取得してサービスを開始しました。これを機に事業名称を「ベッティング事業」に改めることにしました。 売上内訳は、ベッティング事業が約246億円とスポーツ事業全体の約74%を占め、観戦事業が約82億円となっています。