MIXI、悲願の「夢のアリーナ」三井不動産と開業 木村社長がスポーツ事業のねらい語る
悲願の新アリーナは三井不動産との「民設民営」
──Bリーグの年間チャンピオンやソーシャルメディア最優秀クラブ、デロイト トーマツ グループ発行の『Bリーグ マネジメントカップ』1位などの実績を重ねてきた千葉ジェッツにとって、残る唯一の悲願だったとも言える1万人収容の新ホームアリーナ「ららアリーナ 東京ベイ」がついにオープンし、10月5日にはいよいよシーズン開幕戦を迎えます。この新アリーナ建設では何を目指し、どのように取り組んで来ましたか? 木村:このアリーナは、三井不動産さんと一緒に始めた「民設民営」のアリーナなんですね。 外観や内装、VIPエリアといった設備やサービスを自由にコントロールできるというのはすごく大きなポイントで、民設民営ならではのホスピタリティにとことんこだわっています。みんなで集まって、お食事もとりながらワイワイ楽しんでいただけるようなコミュニケーションの場所をとにかく至るところに設けたいという想いがありました。 海外のスタジアム・アリーナのホスピタリティを体験して、日本との違いに驚愕したんですよね。 例えば試合前にコートに向かう選手たちをガラス越しに見送れるエリアがあったり、試合後にVIPルームに選手が挨拶に来られるような動線が確保されていたりと細部まで徹底されていて、とても参考になりました。 日本でももっとクオリティの高いホスピタリティを提供できれば、多くの人に楽しんでもらえて、そしてお金を落としてもらえる。すなわちきちんと拡大再生産していくことができますので、私たちの「スポーツを民主化していく」トライを象徴する、すごく重要な要素だと考えています。 スポーツビジネスを始めるにあたって、政治・行政との対話を続けてきましたので、国の政策として、スポーツを通じたウェルビーイングの推進やスタジアム・アリーナの整備などについて議論されていることは知っていました。 そうした方向性を認識しつつ、ただ、首都圏の私たちのクラブであれば、補助がなくても自立してやれるんじゃないかと考え、上場企業としてのプロセスをきちんと経て、事業化することにしました。 ──アリーナの保有、そして運営管理は、三井不動産と設立した合弁会社「株式会社 TOKYO-BAY アリーナ」「株式会社 TOKYO-BAY アリーナマネジメント」が行なっていくということで、三井不動産との共同事業に至った経緯、責任・役割分担などを教えてください。 木村:三井不動産さんとは5年ぐらい前から海外のスタジアム・アリーナに一緒に視察に行ったりと、親交がありました。 ファシリティマネジメントもそうですけど、街づくりのプロフェッショナルとして、南船橋エリアでの「スポーツ、アリーナを活用した街づくり」を強く意識されていますので、そうした観点で非常に期待をしています。 アリーナをつくるうえではアクセスがとにかく重要ですが、ららぽーとTOKYO-BAYの駐車場になっていたところを三井不動産さんが持っていて、都心から電車で約30分、JR南船橋駅からもほぼ直結でほとんど雨に濡れずに来られますので、立地的にもとても優れていると思いました。 私たちに関しては、三井不動産さんに聞かないとわかりませんが(笑)、ゲームやSNSといったコンシューマー向けのエンターテイメントコンテンツやイベント、メディアを得意としてやってきていますので、そうしたソフトの部分への期待が強いのではないかと思っています。