父の日にワインを贈るなら? ワイン担当編集者が厳選!
浅妻 では3本目。赤です。これ南アフリカのワインでして、味わいとしてはボルドータイプ。エチケットの鍵のマークが品種を表しているので、これは4種のブレンドってことなんです。赤だとほかにカベルネ単体のものもあって、それはこの中のカベルネの鍵だけがひとつ描かれている、っていう具合です。で、私がこのワインを知ったのは、なんとアマン京都の中の和食店「鷹庵」で。ペアリングのワインにこの白とロゼが出てきて、鍵の話を聞いておもしろいなと。この間、ヴィノスやまざきに行ったらこれを見つけ、ヴィノスやまざきが初めて取り扱った南アワインだそうで、もう10数年売り続けていることを知りました。 カナイ 抜いたコルクにほんのり赤ワインのしみしみ感がありますよ。 まりモグ ボルドータイプとはいえ、いい意味で若々しい新世界の香りを感じます。少しくすんだ野イチゴとか、結構複雑。ちなみに、浅妻さんのお父さんはどういうタイプの人ですか? 浅妻 うちの父はもう80代半ばですが、昔からお酒は好きでいまだに普通に飲んでいます。ただ基本は日本酒で、ワインは私が一緒の時くらい。白より赤、濃くて渋くて重いのが好きというか、それがいいワインと思っている。ならば、その世界を楽しんでもらえばいいかなと。王道ボルドーからひとひねりして、南アにしました。アイムドーナツにも、近所にできたシンガポール料理店にも家族で誰よりも先に行っていた好奇心強めの父なので「南アフリカでワインなんて造ってるのか!」っておもしろがってくれるかなとは思います。 SE キュンです。イケてるパパ。 まりモグ 飲むと普通にボルドー。最初は青臭さも感じますが、なじんできますね。 カナイ 意外と酸味も感じます。これブラインドで飲んだら南アとは当てられないでしょう。コーヒーみたいなニュアンスがあっていい。樽香もあるし。ちなみに南アのどこですか? 浅妻 パール地区。突端に近い、海にも近いところでワイン産業は盛んなところ。セパージュはカベルネ・ソーヴィニオン46%、メルロ25%、カベルネ・フラン18%、プティ・ヴェルド11%。なんかこう、ボルドーワインを表現する時のニュアンスが全部入っているというか。チョコレート、コーヒー、鉛筆の芯、ちょっと青い野菜......。 SE すごいですね、タンニンが。そして複雑です。 まりモグ こういうブレンドされたものはテストに出ないから安心して(笑)。 浅妻 うちでこれを父にあげたら、普通にステーキを合わせて、ご馳走感を出して父の日にしたいですね。ワインで和食とか高度なことは無理な気がするので(笑)。 まりモグ なんかおもしろいですね。これはやっぱり父の日って感じです。母の日とはラインナップが全然違ってきそう。