図書館で会話や、軽食もOK 昔とこんなに違う大学図書館の使い方とは
国内の大学では2000年代後半から増え始めた「ラーニングコモンズ」は、最近では多くの大学図書館に設置されています。これは学生の主体的な学習を支援する施設で、個々の自習だけでなく、グループ学習などにも利用されます。大学がラーニングコモンズに力を入れる理由は、どんなところにあるのでしょうか。(写真=青山学院大学提供) 【写真】図書館で会話や、軽食もOK 昔とこんなに違う大学図書館の使い方とは(写真=青山学院大学提供)
大学の個性を出してリニューアル
アメリカ発祥の「ラーニングコモンズ」は、今や日本の大学でも当たり前の存在になっています。旧来の自習室や図書館との違いは、資料や情報の検索を助けてくれるスタッフがいたり、会話や議論が可能なスペースがあったりと、主体的で深い学習ができる場であることです。その役割から図書館と併設されていることが多く、またこうした機能を充実させるため、大学図書館をリニューアルする大学も増えています。 22年にリニューアルした東京学芸大学の例を見てみましょう。教員養成を重視する大学らしく、ここでは模擬授業にも活用できるグループ学習のスペースを備えています。デジタル教科書コーナーを新設したほか、電子黒板なども使えます。教員を目指す学生たちが「教え合い学び合う」空間を整備しているのです。 また、23年に東京理科大学が神楽坂キャンパスに開設したラーニング・コモンズは、遠く離れた複数のキャンパスをつなぐ最先端の空間ゲートウェイ「tonari」を大学で初めて導入しました。等身大の大型スクリーンにより、北海道の長万部キャンパスと東京の神楽坂キャンパスがリアルにつながり、一体となった学びを体感できるようになっています。 いずれも各大学の個性が表れた新施設になっていることがわかります。図書館やラーニングコモンズの様子を見ることは、その大学のいまの姿を知る手立ての一つでもあるようです。 青山学院大学も24年4月、学院創立150周年記念事業の一環として、大学18号館「マクレイ記念館」を開館しました。図書館機能だけでなく、情報メディアセンターの教育・研究支援機能を兼ね備えた新棟で、ラーニングコモンズのスペースをはじめ、用途に合わせた図書閲覧スペースを設置するなど、さまざまな工夫がされています。