2年連続で5人のドラ1輩出、20人以上がプロ入団!大学日本代表候補合宿はドラフト候補の登竜門だ!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.47』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です! 現在、愛媛県松山市で開催されている大学日本代表候補の強化合宿に来ております。翌年のドラフト候補のショーケースはこの合宿から始まっています。 【一覧】候補合宿に参加して、翌年のドラフト指名された選手
次々と高いパフォーマンスを示した指名選手たち
2022年には、今年のパ・リーグ新人王となった西武・武内 夏暉投手(八幡南-國學院大)ら5人のドラ1を含め13人の指名選手が誕生。23年には、楽天・宗山 塁内野手(広陵-明治大)、中日・金丸 夢斗投手(神港橘-関西大)ら5人のドラ1に加えて、13人の指名選手を輩出しました。 毎年、この合宿は全体で45人前後が参加しているので、三分の一が指名されています。この2年で指名された26人は全員が本指名でした。 この合宿では彼らのパフォーマンスのレベルの高さが目を惹きます。22年には広島1位の常廣 羽也斗投手(大分舞鶴-青山学院大)は150キロの速球、鋭く落ちるカーブを投げ込んで、世代上位のパフォーマンスを見せれば、23年には金丸投手と宗山選手の直接対決があり、金丸投手が直球で空振り三振を奪い、見応えのある対決でした。当時の宗山選手は打撃の調子を崩していましたが、守備の機会では安定した守備を見せており、スカウトたちの評価は変わらず1位指名評価でした。 そして愛知工業大の中村優斗投手(諫早農)は最速157キロをマークし、無失点の好投を収め、評価を上げた結果、ヤクルト1位指名を実現しました。 この合宿で150キロを超える速球を投げ込んでいた寺西 成騎投手(星稜-日本体育大)も1好アピールをして、オリックス2位につなげました。 まずこの合宿で参加選手でもトップのパフォーマンスを示すことがドラフト指名に向けて大事なのが分かります。
将来のドラフト候補も下級生に経験し、一段と成長
またこの合宿はドラ1を経験している選手は下級生から合宿を経験しています。今年のドラフト1位となった金丸投手、宗山選手、西武2位の渡部 聖弥外野手(広陵)は2年生から参加し、来年のドラフト上位候補に挙がる創価大・立石 正広内野手、今年、大学日本代表に選ばれた俊足巧打の近畿大・勝田成内野手(関大北陽)など3年生5人が去年の大学日本代表の強化合宿に参加しています。 立石選手は2年生の時の合宿経験が大きかったと語ります。 「違うリーグの良い選手が交わることで、刺激になっていて充実した時間だったと思います。1学年上の選手は技術はもちろんですが、メンタルの安定感が違いました。どんな時でも落ち着いていますし、その姿は参考になりました」 2年冬の合宿に参加し、そして3年生の選考合宿のアピールにも成功して、大学日本代表に選ばれた立石選手。同級生の選手が多かったことで、やりやすさを感じたといいます。 「知っている選手も多くて、声を出しやすかったですし、しっかりと引っ張ることができた」(立石) 自覚が芽生えてきました。堀井哲也監督(慶応義塾大)は12月の強化合宿の狙いについてこのように話します。 「この時期の合宿は状態を確認するのもありますが、大学生がそれぞれのチームに帰って、どんな取り組みをするかが大事だと思いますし、大学の幹事会に入っている11人の監督も松山にきています。11人には選手1人に話しかけて、冬の課題を話して、来春までどんな選手になってほしいかコミュニケーションを取ってくださいと伝えてください。この冬、どれだけ伸びるか期待しています」 同じ学年のレベルの高い選手と交わることで、自分はどんな立ち位置になるのか。また、自チームではない指導者からアドバイスをもらうことで、新たな引き出しを作るきっかけになると思います。 この合宿は、ドラフト候補のショーケースと話をしましたが、参加選手の急成長のきっかけになります。例えば、今年新人王の西武・武内投手は3年冬の時期は最速145キロほどで、まだ目立つ存在ではありませんでした。ただ自分の立ち位置や、合宿前に自身の投球が出来ずに明治神宮大会優勝を逃した責任を糧にして、ドラフト前には大学生NO.1左腕まで上り詰めました。 今年の大学強化合宿でドラフト候補として突き抜ける選手はどの選手になるのか。この合宿をきっかけにブレイクする選手が多く現れることを期待しております。