子どもの友達が輝やいて見える「予想外な視点」 親のモヤモヤを解決する「4つの簡単な方法」
一方で、馬場さんの娘さんが「コツコツ努力するタイプ」であることは、長い目で見れば大きな強みです。なぜなら、即座に理解するタイプの子どもは、記憶から抜けるのも早い場合がありますが、理解は遅いため何度も繰り返して習得した子は、深く身につく傾向にあるからです。 このような特性を持つ娘さんには、焦らずに大事なポイントを絞って、ゆっくり娘さんのペースで学ばせる環境をつくってあげてください。すると発表もやがてできるようになっていきます。
「子どもは、その特性やペースに合わせて育てていくと、そこから伸びていく」 最後に、今回の相談内容の核心的部分について、まとめておきます。人間関係は「バランス」で成り立っています。夫婦関係や友人関係もそうですが、異なる性質を持つ者同士が補い合い、引き合うことが多いものです。ちょうど磁石のN極とS極のように、異なるからこそ成り立つ関係性があります。N極のほうが優れていて、S極が劣っているということはありません。
娘さんと友達の関係も、まさにそのような「バランス」の1つです。娘さんが落ち着いて、聞き役として活躍できているからこそ、友達が社交的でいられる。そして、友達が明るいからこそ、娘さんも安心してその場にいられる。 この2人の関係は、非常に理想的な組み合わせと言えます。 「相手の友達、自分の娘と分離して見るのではなく、組み合わせたセットで見る」 ■娘の価値を認めることが、親の幸せにつながる これからも娘さんは、多くの友達と出会い、それぞれの関係の中で成長していきます。その中で、馬場さんが「比較」にとらわれるのではなく、「娘さんの価値」を認識し続けることが大切です。
モヤモヤしたときは、「娘がいるから周囲の子は輝ける」と考えてみてください。親バカだと思われても結構です。どんどん親バカになっていきましょう。そして、これを機に娘さんの持つ魅力を次々と発見することができれば、それは親子にとってかけがえのない財産となり、親も満たされた状態になっていくと思います。 これからの馬場さんの心が少しでも軽くなることを願っています。
石田 勝紀 :教育デザインラボ代表理事、教育評論家