甘くて柔らかい刀根早生柿がパフェや春巻きに… 奈良県立大生らがメニュー考案
奈良県立大の学生たちが、奈良県天理市発祥の種なし柿「刀根早生柿」を使ったメニューを考案した。16日に天理市萱生町の集荷場でイベント「kakiわすれんとね」(県立大・かよ柿出荷組合共催)を開き、販売する予定。会場は「日本最古の道」として人気の高い山の辺の道沿いにあり、訪れたハイカーたちに広くPRする考えだ。 【写真】奈良県立大生らが考案した「かよの夕日パフェ」 刀根早生柿は甘みが強く柔らかい食感が特徴。東京や大阪、沖縄など全国に出荷される県産ブランドだが、地元のスーパーに並ぶことは少なく、地元へのPRが課題となっていた。また、傾斜地で栽培されるため維持管理が難しい上、後継者不足で栽培放棄地が増えているという。 秋になると柿がたわわに実る風景は、山の辺の道を散策する人たちの楽しみにもなっており、柿農家の宇野千穂さん(48)は「おいしい柿を多くの人に食べてもらうことが、道を守り、農地を守ることにもつながる」と力を込める。 メニューは、こうした課題を解決しようと、県立大地域創造学部のラナシンハ・ニルマラ准教授のゼミ生9人が考案。昨春から生産者らにインタビューするなど観光フィールドワークを行ったり試作を重ねたりして昨秋に完成させ、イベントに向けてブラッシュアップした。 販売するのは、柿をまるごとバターと一緒に焼き上げた「焼き柿」(1個300円)▽柿をふんだんにトッピングした「かよの夕日パフェ」(500円)▽スナック感覚でつまめる「柿春巻き」(1本200円)▽柿のパウンドケーキ(1切れ250円)-の4品。 学生たちは集客のため交流サイト(SNS)でPRしたほか、名刺サイズのチラシも作成。イベントは10月26日にも開き、約150人が訪れたといい、ニルマラ准教授は「地域振興という社会課題について学生の学びにつながったはず」と手応えを感じている。 メニュー作りに携わった同大学3年の石川もえさん(21)は「私たちの活動を通して交流人口を増やし、経済を発展させ、持続可能な観光地となるお手伝いができたら」と意気込んでいる。 イベントは、午前10時~午後2時半。