「生活保護を受ける父」と「子どもに嫌われている母」の親権争い、裁判で勝ったのはどっち?
次男を巡る調停
その後、母が次男の引き渡しを求める調停を起こしました。 ―― お母さんのことを、どう思っていますか? 次男 「お母さんは殴るからキライです。お母さんは嘘つきです」 「お母さんはいつも酒を飲んでいる……」 長女 「私も次男も母と過ごすのはイヤです」 「母を信頼していないから、母と積極的に会ったりしたいとは思いません……」 ―― 成年になったのでカヤの外ですが、長男さんはどうでしょう? 長男 「中学生のころ母と取っ組み合いのケンカになった際、頭にケガを負わされました。母とは会話がない状態でしたね」 この調停で、母は3回連続で出頭しなかったので、調停は不成立となりました。 ■子どもが住んでいる場所 親権は分かれ、奪い合いが繰り広げられていましたが、結局、次男も長女も父の自宅で暮らしていました。
親権者変更の申し立て
その後、冒頭で述べたような裁判となりました。 母 「長女の親権を私に変更してほしいです」 父 「次男の親権を私に変更してほしいです」 「2人の意思を尊重して解決していただきたいです」 ―― 次男くんは、どう思ってますか? 次男 「父の家で姉と暮らしていきたいです」 ―― 長女さんは、どうですか? 長女 「Me too. 私も父と暮らしたいです」
裁判所のジャッジ
父の勝ち!長女、次男どちらの親権も父となりました。裁判所が挙げた理由はおおむね以下のとおりです。 ■ 母について ・家事や育児に専念したことがなかった ・家事、特に料理が不得手 ・アルコール依存的傾向にある ・性格上、人格上何らかの問題から、長女・次男と良好な母子関係を築けていない ・長男とも良好な関係を築けていなかった。長男と母が取っ組み合いのケンカをした際、小6だった長女が学校の先生に「母がお兄ちゃんを虐待している。法務局へ行く」と相談するほど。 ・特に次男との関係は次男にとって緊張感を伴うものになっている ・自分の問題点にまったく目を向けようとしない ■ 長女について(高校生) ・父子関係が良好 ・父を親権者として生活していくことを望んでいる ・次男の母親的存在(カナリしっかりしている) ・次男と父の朝食や弁当を作り父を支えている ・母 vs 父というより、長女が父の味方をしており、母 vs 長女の様相を呈している ■ 次男について(小学4年生) ・父子関係が良好 ・姉と父と暮らしていきたいと望んでいる ・姉との関係も良好 というわけで父が親権を獲得しました。父は抑鬱状態で仕事ができず生活保護を受けていたのですが、それでも裁判所は、妻が未成年2人を養育していくことは妥当ではないと判断したようです。