東京の個人宅、1000坪の「秘密の花園」をいつでも公開! 親子3世代でつなぐ庭の日常にベーカリーカフェも 森田オープンガーデン・小平市
森田さんの友人が手掛けた陶器を販売もしている。森田さんの庭の看板のようなカモミールをモチーフにしたカップやプレートも。
「庭」を舞台に、訪問客と繋がり、家族とも繋がっていく
森田さんのお庭はもともと野菜畑で、庭いじりは、森田さんが夫と2人でスタートさせたもの。「私が花担当、亡くなった夫が野菜担当で、唯一の揉めごとが花畑と野菜畑の境界線争いだったんですよ(笑)」と、自他ともに認める仲良しぶりだった。 ところが、15年前、末期がんとなった夫が急逝。当初は花を育てる気力がないほど悲しみに打ちのめされていた森田さんが、「せっかく彼が残してくれた場所だから」と、庭づくりにさらに邁進した。 つまり、森田さん夫妻の趣味の場が、森田さん渾身のガーデンになり、それが一般公開され、地域の人々の憩いの場のオープンガーデンとなり、さらに、カフェができたことでコミュニティとしての機能は増幅。「過ごせる」「集う」オープンガーデンとして進化した。 さらにいえば、この庭は、森田さんの娘さん、お孫さんと、親子3世代の居場所として、縦にも繋がる場所ともいえるだろう。森田さんにとってはひ孫にあたる子ども達にとっては、ここは格好の遊び場だ。 「この庭がなければ、この庭が人が集う場所でなければ、私は“パン屋を始める”なんて思わなかったと思います。そしてオープン日は亡き父の誕生日の6月21日。家族の大切な節目になりました」と森田さんの娘さん。まさしくこの庭園は森田家の歴史の舞台となっている。 ●取材協力 森田オープンガーデン 住所:東京都小平市小川町1-647-3 TEL:090-4220-2061 開放日:通年 HIDAMARI cafe 営業:火・金・土曜11:00~15:00 定休日:第2土曜日(ほか不定期休) ※営業日時はinstagramで事前確認
長谷井 涼子
【関連記事】
- 「私の庭に寄ってって」! 個人宅の『秘密の花園』を自由に楽しむ「こだいらオープンガーデン」
- 13代続く湘南の地主・石井さん、地域の生態系や風景まもる賃貸住宅で”100年後の辻堂の風景”を住まい手とつくる 「ちっちゃい辻堂」神奈川県藤沢市
- 人口6割減・貧困で治安悪化の街、ラストベルトからよみがえりのカギは市街地3分の1の空き家! 農園などに活用する驚きのまちづくりとは? アメリカ・フリント市
- 東京を”食べられる森”に! 渋谷や新宿などに農園が続々登場している理由「トーキョーアーバンファーミング(Tokyo Urban Farming)」
- 下北沢などの街を変えたグリーン(植物)とコミュニティの力。 NYセントラルパークと感染症対策にも意外な接点