東京の個人宅、1000坪の「秘密の花園」をいつでも公開! 親子3世代でつなぐ庭の日常にベーカリーカフェも 森田オープンガーデン・小平市
個人のお宅を一般開放する「オープンガーデン」。東京都小平市では市全体の取り組みとして広報・バックアップをしているが、なかでも1000坪の広さを誇る森田光江さんのオープンガーデンは別格。そのスケール感は個人宅の庭とは思えないほどで、テレビ、雑誌の取材を受けることも多い。SUUMOジャーナルでも3年前に取材し、記事はなかなかの反響に。そして、3年後、森田さんのオープンガーデンは、現在どうなっているのか、改めてお話を聞いた。
足を踏み入れると、個人宅とは思えない、森の花園が広がる
森田さんのお庭で圧倒されるのは、その広さだ。1000坪の広さは個人宅の庭のイメージを大きく超える。しかも、玉川上水沿いの緑道に接しているため、その成熟した緑も借景になり、庭に入ると、まるで森の中にいるような感覚になる。
コンセプトは“手入れしすぎない、日常の中のガーデン”。こぼれた種はそのまま、落ち葉は堆肥に、自然の循環を感じる庭づくりがされている。 森田さんがイメージしたのは、世界的に知られたガーデナーで絵本作家のターシャ・テューダーの庭。57歳のときにアメリカのバーモンド州の森の中に移り住み、自分の庭をつくり上げ、スローライフを送った彼女は、森田さんの憧れの存在だ。
森田さんも、花々が咲き誇る庭づくりをするとともに、野菜、果物を育て、収穫し、食す。さらに養蜂でハチミツを採り、摘んだカモミールでお茶を入れる。庭とともに暮らす毎日だ。 「だから小平の”ターシャ”と記事にしてもらえたときは嬉しかったです」
庭に入ると高い建物が見えず、非日常な感覚が味わえる。
ところどころ、木陰にはイスやテーブル、ハンモックやブランコが置かれ、ひと休みもできる。
取材日の5月下旬にはオニゲシなどが咲き誇っていた。
左上から、オニゲシ、ダリア、カモミール、菜の花。
脳梗塞で倒れたものの、庭づくりはリハビリに
実は森田さん、2021年の前回の取材後に脳梗塞で倒れてしまったのだ。約1カ月の入院とその後のリハビリの間は家族や友人が庭の手入れを手伝ってくれたものの、もしかしたら庭いじりは難しいかも、という考えがよぎった。ところが、花の世話をすることや誰かと会話すること自体がリハビリになると主治医から言われ、そのままオープンガーデンを続けている。 「ほっとしました。もちろん、昔よりマメに手入れができなくなったけれど、それはそれで、ありのままの姿でもいいかなと思ってます」
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