愛知県の「医療ひっ迫防止緊急アピール」19日で解除へ コロナ対策本部会議で決定
愛知県は16日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、独自の「医療ひっ迫防止緊急アピール」を今月19日で解除することを正式決定した。20日からは「厳重警戒」の期間とし、感染防止対策の徹底を県民と事業者に求める。大村秀章知事は会議の中で「ようやく第8波の収束も見えてきた。一方で感染リスクは依然としてある。引き続き県内の医療提供体制に万全を期していく」と述べた。
医療関係者「院内感染対策の難しさ変わらない」
「緊急アピール」はコロナの「第8波」に対処するため、昨年12月8日に発出。1月中旬に期間を2月19日まで延長し、愛知県全域を対象に基本的感染対策の徹底やテレワークの推進、イベント開催制限などの取り組みを呼びかけてきた。 入院患者数は1月初めをピークとして現在はその2分の1以下になったほか、一時は70%以上あった病床使用率も30%台に改善してきたことから、これ以上の延長は必要ないと判断した。 国立病院機構名古屋医療センターの長谷川好規院長は「変異株の動向には注意が必要だが、社会活動はウィズコロナに移ってきている。しかし、コロナが院内感染対策の難しいウイルスであることは変わらない。院内感染が医療者、施設の批判につながらないことを望んでいる」と話した。また、県病院協会の伊藤伸一会長は「第8波はピークアウトしていることで間違いないが、季節的に救急搬送困難事例はまだ発生している。インフルエンザとの同時感染なども注視して、拡大状況に応じて入院患者の受け入れ体制などを再整備していきたい」と述べた。
マスク着用は来月13日から「個人の判断」に
国は5月8日からコロナの感染法上の扱いを2類相当から5類に引き下げる方針だが、県のメッセージには「弱毒化しているとはいえ、季節性インフルエンザに比べて感染力は強く、重篤化する可能性もより高いという指摘もある」との文言を盛り込んだ。 一方、マスクの着用は国の方針に従い、3月13日から「原則、屋内外を問わず個人の判断」とする。学校の卒業式では式典全体を通じて児童生徒、教職員が「マスクを外すことを基本」とすることを各県立学校などに通知している。 大村知事は「現状は愛知県もほぼほぼ集団免疫を獲得したに近い状態だと思うが、今後『第9波』でどれだけの山がやってくるのか分からない。医療関係者としっかり連携して医療提供体制を遺漏なきように組み立てていきたい」と述べた。 「厳重警戒」の期限は決められていない。 (関口威人/nameken)