名古屋駅前の中学生飛び降り死「残念ではすまない」 河村市長が会見
名古屋駅前の中学生飛び降り死「残念ではすまない」 河村市長が会見
名古屋市の河村たかし市長は10日、市役所で定例記者会見に臨んだ。6日に名古屋駅前の高層ビルから10代の男子中学生が飛び降りて死亡したとみられる事件について「大変悲しいこと。残念ではすまない」と述べ、高校受験の廃止やキャリア教育などを含めた対策の必要性を訴えた。 【動画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2023年1月10日)
「キャリアパスウェイ」導入や高校受験廃止などの対策訴え
報道によれば、男子生徒は学生服姿で、駅前ビルの15階に設置されたガラス張りの柵を自ら乗り越えたとの目撃情報があり、その後3~4階部分のひさしに落ち、心肺停止状態で病院に搬送されて死亡した。 河村市長は、男子生徒の所属や飛び降りの要因などについては明言しなかったが、「子どもが亡くなる主たる原因は成績と進学(の悩み)」とした上で、「徹底的な対策をしていきたい」と述べた。 スローガンである「一人の子も死なせない名古屋」は「実現されていない」とし、持論である高校受験の廃止や、進学以外の生き方などを考えるキャリア教育の一環である「キャリアパスウェイ」の導入などを強調した。 ただ、高校受験廃止に向けた具体的な進め方やスケジュールについて問われると、「みんなでよっぽど議論して、自然体の意思としてやらなきゃいかん。とりあえずキャリアパスウェイを実現させて、(高校受験廃止と)両方やろうと。高校受験廃止単発だけだとなかなか理解がされんのではないか」などと述べるにとどめた。
県知事選対応「あえて言うこともにゃあもんだで」
会見ではこのほか、今年4月に「名古屋市立緑市民病院」から名称や体制の変わる「名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院」のロゴマークの発表などがあった。 公募によって選ばれたロゴマークは「みどり」の「み」を花やハートの形に図案化し、心を元気にさせる病院や地域医療へ貢献する「ケアの心」などを表しているという。 今月19日の告示を控えた愛知県知事選への対応については、「あえて言うこともにゃあもんだで(ないので)」と、市長が率いる減税日本からの候補擁立は引き続き困難な状況を示唆した。 (関口威人/nameken)