デビューから10年 マルチに活躍する上杉柊平が活動を続けられる理由「満足したことはない」
5クール続けての連続ドラマレギュラー出演も
「連ドラに欠かせない俳優」…今やその位置付けにいる上杉柊平(うえすぎ・しゅうへい)が、2025年1月9日スタートのテレビ朝日系ドラマ『プライベートバンカー』(木曜午後9時)に出演する。所属事務所の大先輩で主演の唐沢寿明が扮するプライベートバンカーが信頼する助手の役だ。デビュー10年。5クール続けての連続ドラマレギュラー出演を経験した32歳がモデル・アーティストも含めた「表現する仕事」の始まりや向き合い方を語った。(取材・文=水谷賀奈子) 【写真】「かっこよすぎだろ」「おしゃれ」 上杉柊平がモデルとしてイタリアでのファッションショーに参加した様子 上杉は2023年7月期のTBS系ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』で美術品輸送専門ドライバー役を好演した。これをきっかけに5クール続けて連続ドラマにレギュラー出演したことで、名前の前に「今最も勢いのある俳優」という言葉がつくようになった。本人にそれを伝えると、少しはにかんで言った。 「自分では『勢いのある』とは思わないからこそ、そう思ってくださる方がいるのはありがたいですし、恐れ多いです」 今年は話題作の映画『八犬伝』にも出演。トップ俳優の仲間入りを果たしている印象だが、15年にデビューして以来、モデル、アーティストとしても活動してきた。 「モデルは『僕のまま』を評価していただいた結果、お仕事をいただいているので『上杉柊平のまま』でやっています。俳優は役があって、自分に与えられた役割やシーンとの向き合い方を考えるところから始まるので神経を使いますね。アーティストの活動は同じく『表現する』ことであっても、全くの別物です。自分の言葉で歌詞を書く時には、自分の心をえぐっていくスキルが必要になります。他の2つとは一番離れているものだと思います」 その「表現する」ことに興味を持つようになったきっかけは、オーストラリアで過ごした高校3年間にあるという。 「留学したのが演劇の学校の一般科だったということもあって、お芝居をしている友達が周りにたくさんいました。自分を使って何かを表現するということが、日本よりも海外の方がオープンで、そういった文化に触れていたことの影響はあったと思います。帰国後、大学生の時にも芸能の仕事をしている友達が多くて、誘われてバイト感覚でモデルをやらせてもらったんです。自分には関係のない世界だと思っていましたが、突然“表に出る”ということが始まりました」 気づけば10年。ここまで長く続けてこられたのは「満足感がないから」と表現した。 「『頑張らなきゃ。成長しなきゃ』という気持ちがモチベーションになっています。一つひとつの仕事において、納得できなかったことや悔しかったことをきちんと見つめてきたことがつながってきているのかなと思います。『もっと、よくできた』と反省しなかったことは一度もないし、満足したこともないし、この先もないと思います」 そう言い切る一方で、「最近は変化を感じることがあった」と明かした。 「このネガティブなモチベーションが、いつまで持つのかは分からないです。目に見えて分かりやすく変化があったわけではないのですが、体が危機感を覚えているというか。モチベーションのベクトルを変える年齢に入ったのかもしれません。ただ、まだどうすればいいのかは分かっていないですね。『人の心に残るいい作品にしたい』というポジティブな気持ちも持ってはいるので、それをエネルギーに変えていきたいです」