来日した楽天の助っ人ユーキリスは映画「マネーボール」のモデル
■古傷への負担を減らすため一塁で起用 来日の遅れていたV2の使者がやってきた。楽天の新外国人、ケビン・ユーキリス内野手(34歳)が8日、沖縄・久米島でキャンプを張るチームに合流した。スキンヘッドにたっぷりと蓄えたヒゲ。昨年のヤンキース時代は、チームの規律で剃っていたトレードマークのヒゲが蘇った。185センチ、100キロの体格。迫力満点である。 「引退するつもりだった」メジャーから日本復帰の尚成
「ワクワクしている。楽天というチームについては、知らなかったが、自分で調べて田中やA・J(アンドリュー・ジョーンズ)、マギーが活躍したチームであることを知った。A・Jに連絡をとって、さっそく情報を交換している。自分の力を発揮して、チームの優勝に貢献したい」 レッドソックス時代に2006年から6連続2桁本塁打を放った。球宴出場は3度。本来ならば、日本で見られないような超大物だ。しかし、昨年は、6月に腰を手術。その回復具合の様子を見ようと、メジャーのマーケットからは敬遠されていたが、その隙間に楽天が退団したマギーの代役として、約3億円という“安値”で1年契約を結んだ。 星野監督は、「腰のこともあるので無理はさせたくない。本当は、三塁を守らせたいが、古傷への負担を考え一塁で起用する考え。本来の力の7割を出してくれれば十分」というユーキリスの起用法を語った。ユーキリスは、2007年には、一塁手としてメジャーでゴールデングラブ賞を獲得している名手。そのユーキリスの一塁起用を見越して、銀次は、今キャンプでは三塁へのコンバートに取り組んでいる。 ■「マネーボール」のモデル 高い出塁率を支える選球眼 星野監督が「7割程度で十分」と断言する裏には、ユーキリスの全米を代表するほどの選球眼の良さにある。アスレチックスのGMビリー・ビーンが、セイバーメトリクス理論に基づき、出塁率の高いマイナー選手をかき集めて金をかけずにチームを再建したストーリーは「マネーボール」という本や映画になったが、そのチームにおいて“四球の神様”と象徴的に起用されたのが、若きユーキリスだったのである。ちなみに、当時、マイナーで71試合連続出塁の記録を作った。それほどボールの見極めができるのだ。