来日した楽天の助っ人ユーキリスは映画「マネーボール」のモデル
メジャーでの通算出塁率は.382で、長打率は.478である。楽天の外国人獲得を調査するグループは、日本野球に適応できる選手の物差しとして、四球の数と出塁率の高さにこだわっている。外の変化球や落ちる球。ボール球を振らせることで外国人を退治するのが、日本のバッテリーのセオリーである。その日本流に適応するには、選球眼と我慢が重要だと楽天の編成部は考え、そのデータを重視している。 ***■日本野球で活躍する条件を備えた選手* まさに楽天流「マネーボール」の理論に沿って獲得したAJが、日本一となる打線の起爆剤となったが、ユーキリスも、日本野球で活躍する条件を備えた選手なのである。加えて2007年にレッドソックスで世界一となった際には、2番から6番までの打順を経験するなど、一発の魅力だけでなく器用さも兼ね備えている。 この日は、さっそく室内練習場で約50スイングほどのロングティーをしたが、左右に綺麗に打球を打ち分けて、その巧みなバットコントロールの一端を見せつけた。 「どのチームにいても、常に優勝を頭に入れているが、チームメイトには『もう1度、優勝をもたらしたい』と伝えた。そして楽天のことを調べるうちに、3月11日の津波被害のことも知った。被災された方には、心からお悔やみ申し上げたい。大切な人を亡くすのは、悲しいことだ。私は米国でも、妻と一緒に社会支援活動を行ってきた。日本でも、引き続き仙台の地で、被災者の方々の力になれるような活動をしたいと思う」 ユーキリスは、「東北のために」という話もした。頼りなるV2の使者が星野楽天に加わった。 (文責・駒沢悟/スポーツライター、元スポーツ報知番記者)