天理の2年生遊撃手・杉下 エース助ける完璧なサインプレー センバツ交流試合
2020年甲子園高校野球交流試合は第2日の11日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、天理(奈良)は2―4で広島新庄に惜敗した。 【写真】白スパイクで臨む天理の選手たち 三塁方向へ一歩踏み出した二塁走者に逆行するように、天理の遊撃手・杉下が背後から二塁ベースへ忍び寄った。三回1死一、二塁、広島新庄の3番・下の打席だ。1ストライク後、マウンドの庭野からけん制を受けて走者をタッチアウト。完璧なサインプレーで、制球に苦しむエースを助けた。 庭野が投じた初球後、「走者の動きを見ていて、(盗塁で)走られてもおかしくないと思った」と、守る遊撃からけん制を要求するサインを出した。「たまたまアウトになっただけ」と謙遜するが、捕手の山元を「(自らサインを出すとは)2年生とは思えない度胸」とうならせた。 昨秋から正遊撃手となったが、公式戦ではチーム最多の6失策。自主練習で3年生にノックしてもらったり球を転がしてもらったりし、基本の捕球姿勢から見直した。 奈良独自大会は3年だけで臨んだため、甲子園が今年初めての公式戦の舞台だったが、三遊間への打球を正面で捕球するなど大胆なポジショニングで当たり前のように打球をさばき、この日は無失策。「しっかりアウトにすることができた」と、少しだけ喜んだ。 試合後、山元から「お前らは(甲子園で)勝てよ」と言われた。交流試合に向けて午前は3年生に交じって練習し、午後からは新チームの練習に加わる充実した夏を過ごしてきた。「甲子園は思い通りにならない場所。借りを返しに、また、ここに戻ってきたい」。3年生の思いと甲子園の経験を新チームにつなぐ。【安田光高】 ◇全16試合をライブ中継 ニュースサイト「毎日新聞」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/)と「Yahoo!JAPAN」が運営する「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)で展開する「センバツLIVE!」では、センバツ交流試合の全16試合をライブ中継します。センバツLIVE!は、パソコンやスマートフォンで、いつでもどこでも無料でお楽しみいただけます。勝負の裏側に迫った最新のニュースや写真特集など、試合の情報が盛りだくさんです。センバツ交流試合にどうぞご注目ください。