32人死傷のガス爆発、点検者を業過致死傷で在宅起訴 検審議決受け
郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で2020年に起きたガス爆発事故で、福島地検は26日、ガス設備の点検を担った保安機関「協同組合郡山エルピーガス保安管理センター」の調査部長の50代男性を、業務上過失致死傷罪で在宅起訴し、発表した。認否は明らかにしていない。地検はいったん不起訴にしたが、福島検察審査会の「不起訴不当」議決を受け、再捜査していた。 【写真】爆発で壁が吹き飛んだしゃぶしゃぶ店=2020年7月30日午前11時23分、福島県郡山市島2丁目、朝日新聞社ヘリから 事故は20年7月30日朝、コロナ禍で休業中だった店舗で発生。内装工事をしていた男性(当時50)が死亡し、近隣住民ら31人が重軽傷を負った。建物被害は200棟を超えた。 経済産業省の報告によると、店の調理場では、水の影響を受ける恐れのある場所で使えない素材のガス管が、コンクリートの床面に接する形で設置されている法令違反がみつかった。ガス管は腐食していた。 地検の発表では、点検担当の男性は必要な調査をせずにガス管の著しい腐食を見落とした。適切な防止措置が講じられていないと十分に認識していたが、プロパンガス販売会社や店舗側に通知しなかったため、事故を起こした、とされる。
朝日新聞社