巨人歴代最多1067勝達成の原監督は”V9”川上哲治氏を超える名将なのか…大物巨人OBが”激辛”メッセージ「弱いチームを勝たせてこそ」
「今年は、他がだらしないチームばかりで、もう巨人を止めるチームは見当たらない。独走で優勝を決めるだろう。原監督が、今後、本当の名将、名監督となるチャンスはあると思う。戸郷や岡本らの生え抜きの主軸を育てつつあるが、まだ岡本も真の4番の風格はないし、菅野に続くエースは出てきていない。私が彼に期待するのは、生え抜きの育成と同時に、後継者、指導者の育成だ。タレントのようなコーチを集めていないで、チームを強くする指導者、そして、次に彼の監督勝利数を超えていくような後継者を育てて欲しいのだ。残念ながら原監督が、前回、10年監督を務めた後に高橋由伸が3年間監督をやったが失敗した。原監督は、高橋監督を育てられなかった。すでにGM的な仕事をしている原監督の統率力を見る限り、次の監督を決める際の影響力は大きいと思う。阿部慎之助に2軍監督をやらせ、今、監督の勉強をさせているようだが、阿部を後継者とするなら、しっかりと育ててから勇退すべき。4番とエースを育て、そして次の監督が成功したとき、原監督が、本当の名将として評価されるようになるのではないかと考えている」 巨人の監督は、近年、読売最高トップの渡邉恒雄氏が決めてきたが、広岡氏は、監督の後継者を育てることこそが、原監督の使命だと強調するのである。チームの主軸を育てるだけでなく、監督に、そこまでを求めることは酷だとは思うが、裏を返せば、それだけ原監督の持っている能力、手腕を広岡氏が評価している証拠だろう。 原監督はインタビューを「戦い半ば。(球団歴代最多勝に)浸っている余裕はありません。偉大な川上監督、大先輩の記録を少し超えさせて頂いたということを心の中の宝物にして、さらに明日より精進、挑戦していきたい」という言葉で締めた。 真の名将への道を歩むためにまずは新型コロナ禍で行われている大変なシーズンを最後まで圧倒的な力を見せつけてゴールすることだろう。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)