カワイくって楽しく使い倒せる、新世代フィアット「600e」に乗ってみた
モーター駆動がもたらすスムーズで力強い加速感!
気になる走りについてだが、新しいプラットフォームを採用したBEVモデルということもあり、加減速ともにとてもスムーズ。少々荒れた路面でのハイスピード走行でも低重心ならではの落ち着きが感じられ、ロードノイズの車内への侵入もかなり抑えられていた。ステアリングの据わりも上々で、とても素直な特性を持っており、中立付近では安定志向、切り足せば思い通りのラインをトレースしてくれる。 ドライブモードはエコ/ノーマル/スポーツの3種が設定されているが、エコ以外は切り替えてもそこまでの特性の違いは感じにくい。とくにスポーツモードはアクセルレスポンスこそ向上するものの、加速自体はかなりジェントル。エコモードはアクセル操作への追従がかなり鈍されているため、逆にペダル操作が煩雑になってしまう印象だった。 個人的にはノーマルモードが使いやすかった。BEVモデルはとかく電動感の演出にこだわりがちで、出足の良さや中庸域でのピックアップなどを誇張する傾向があるが、こういったあたりを強調していないのも逆に新鮮。ガソリン車オーナーが初めて乗っても違和感はまず感じない仕立てだった。 ちなみに今回試乗した真夏日では、エコモードとスポーツモードでは残航続距離が1割強変動したことを付記しておく。
フィアットの屋台骨を支える好素材、Mハイブリッド車も含めて今後の展開が楽しみ
これからのフィアットブランドを支えていく実質的な屋台骨となるのが、この600eとマイルドハイブリッドも含めた600シリーズなのは間違いない。実力派が揃うコンパクトSUVカテゴリーにおいてもその個性を十分に主張し、実用面でも対等以上に張り合える魅力的なモデルに仕上がっていることを確認できたのは嬉しいかぎりだ。
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月刊自家用車編集部