意外と知らない「夢遊病」の原因って?危険性と治療法も解説
夢遊病の原因
夢遊病の正確な原因は明らかになっていない。アトチェケン博士によると「深い睡眠のステージで睡眠時遊行が起こるのは、神経系からの異常な刺激で部分的に覚醒してしまうから」というのが睡眠の専門家たちの見解。 これには遺伝も関係しているようで、近親者に夢遊病や他の睡眠時随伴症の経験者がいる人はリスクが高い。また、以下のような生活習慣や疾患も睡眠時遊行の発生率を高くする。 ・寝不足や途切れ途切れの睡眠 ・ストレス、バーンアウト、強いストレスを感じる出来事 ・発熱(とくに子ども) ・アルコールや娯楽的薬物の過剰摂取 ・鎮静剤や催眠薬 ・脳損傷(脳の腫脹など) ・閉塞性睡眠時無呼吸などの睡眠呼吸障害 ・レストレスレッグス症候群などの睡眠障害 ・うつ病や不安障害などのメンタルヘルス疾患 ・胃食道逆流症やてんかんなどの基礎疾患 夢遊病は治療を必要としないケースが多い。これは睡眠時遊行そのものが非常に稀で、寝ている本人や周りの人に及ぶリスクも小さいから。でも、睡眠時遊行が頻繁に生じたり危険をはらむようになった場合や、日常生活に支障を来たし始めた場合は専門医に相談を。原因を特定し、それに合った治療を受けよう。
夢遊病の危険性
夢遊病の危険性は睡眠時遊行の最中だけでなく、あとにも及ぶ。「夢遊病者は周囲の状況が把握できず、自分自身を傷つけてしまうことがあります」とアトチェケン博士。「睡眠時遊行中は事故に遭ったりケガをしたりする可能性がありますし、夢遊病が原因で寝不足になり、日中に眠気や疲労を感じたり、身体機能やパフォーマンスが低下したりすることもあります」 夢遊病者は、完全に起きているときは夢にも思わないようなこと(職場の同僚にメールをする、隣人に向かって叫ぶ、卑猥な行為に走るなどの行為)を睡眠時遊行中にしてしまうことがあり、これが羞恥心を生む。何らかの罪を犯したり、暴力を振るったり、人の命を危険にさらしたりすれば、法律問題に発展してもおかしくない。