意外と知らない「夢遊病」の原因って?危険性と治療法も解説
睡眠時遊行中の人を起こすのは?
どうしても必要な場合を除いてNG。「睡眠時遊行中の人は、介入しようとする人に対する反応が非常に薄く、睡眠時遊行中のことを覚えていません」とアトチェケン博士。そのため睡眠時遊行中の人は、無理に起こされると混乱したり、怒りや恐怖を感じたりする。 アトチェケン博士によると、睡眠時遊行中の人を危険な場所や状況から離したいときは「やさしく」がキーワード。「彼らに危害が及ぶのを防ぐため、少し離れたところから観察して同行しましょう。必要であれば、穏やかな声をかけたり、そっと体に触れたりしながらベッドへ誘導してください」
夢遊病の治療法
睡眠時遊行を完全に防ぐことはできないけれど、いくつかのステップを踏むことで起こりにくくすることはできる。アトチェケン博士いわく睡眠時遊行は大抵一時的なものなので、積極的な治療を要しない。でも、睡眠専門医による治療と特別な措置を要するケースはある。例えば: ✔️危険なものを排除する アトチェケン博士によると、睡眠時遊行を管理するうえでなによりも重要なのは、有害となり得る環境要因を取り除くこと。「鋭利なものは手の届かないところに置いて、角の尖った家具は排除しましょう。窓を閉め、ドアに鍵をかけ、人感センサー付きのライトとドアの警報装置を設置することも大切です」 ✔️トリガーに対処する 睡眠障害のトリガーを見つけて、それに対処するのも大事。日常的なストレスレベルを下げて、基礎疾患の治療を受けるのも、その一環と思ってほしい。「レストレスレッグス症候群や閉塞性睡眠時無呼吸などの疾患は、睡眠時遊行のリスクを高めるので治したほうがいいですね」とアトチェケン博士。「鎮静剤も睡眠時遊行の一因となるので、医師に相談して用量や薬の種類を変えましょう」 ✔️睡眠衛生を改善する 就寝前のルーティンを完璧にして、できるだけ快適で心休まる睡眠環境を作るのも睡眠時遊行を防ぐ方法の1つ。「毎日同じ時間に寝て起きるようにして、十分な睡眠時間を確保しましょう」とアトチェケン博士。「カフェインのような刺激物やアルコールの摂取は就寝の4~5時間前にやめ、寝る前の時間はリラクゼーションに充ててください。パソコンやスマホの画面を見る代わりに瞑想したり、やさしい音楽を聴いたりするといいですよ。場合によっては、寝心地のいいマットレスに投資するのもいいですね」 ✔️先回りして起きておく 睡眠時遊行は入眠後の数時間以内、それも毎晩ほぼ同じ時間に起こることが多いので、その時間の15分前にアラームをセットすれば、睡眠時遊行が起こるであろう時間帯に起きていられる。「パターンさえ掴めれば、その直前に起きることで睡眠時遊行を防ぐことができますよ」とアトチェケン博士。 ✔️薬を飲む ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用すれば、寝付きがよくなり、真夜中に目が覚めることが減り、朝までぐっすり眠れるようになるかもしれない。睡眠時遊行中のケガのリスクが高い場合や他の治療法が効かなかった場合は病院で処方される可能性があるけれど、睡眠薬は耐性と依存が生じやすいので一時的な処置として捉え、長期的に使用するべきではない。 ✔️セラピーを受ける 認知行動療法(CBT)と催眠療法は、どちらも夢遊病に有効であることが小規模の研究で証明されている。メンタルヘルスを専門とするセラピストやカウンセラーは、ストレス関連の睡眠時遊行を防ぐためのテクニックにも精通している。 ※この記事は、『Netdoctor』から翻訳されました。