ホリエモン出資の宇宙ベンチャーが戦略発表(全文2)超小型人工衛星の需要が拡大
インターステラテクノロジズの事業戦略
稲川:あらためまして、インターステラテクノロジズの稲川です。堀江からも説明ありましたとおり、このMOMOの開発と同時並行でこれまでZEROという開発を基礎研究レベルでやってきました。ここから本格的に事業に進めようという中で、われわれ単独ではなくて、多くのパートナーの方と一緒にやっていこうと。そういう関係のある企業さんをどんどん広く募ろうというところが今回後ろにある、みんなのロケットパートナーズという枠組みです。そこに至るに当たってわれわれ、このZEROという機体についてまずはご紹介させていただこうと思います。 ロケット開発の計画についてですけれど、今現状観測ロケットMOMOの開発というのが2015年ごろから本格的にエンジン開発というのは進んできました。2年半ほど掛けて機体までつくれましたので、初号機の打ち上げというのが2017年夏に行えたというところです。で、2号機が1年後の2018年の夏に行って、次3号機に向けて今、着々と準備が進んでいるというところです。この3号機ですね。宇宙品質にシフト、MOMO3号機の打ち上げがうまくいったら、これで商業化および量産化に向けて動きだすというところになります。 これと並行してZEROという開発をこれまで基礎研究レベルでやってきましたけれども、今まさに基礎研究レベルから開発段階に移ってきたというところです。この年度末にもエンジンの試験というのを行うんですけれども、かなり液体ロケットを軌道投入しようと思うと、必要な要素開発というのが順番に行っていかないといけません。まさに今行っている最中なのがプロトタイプモデルといわれるモデルです。 で、ここのモデルがうまくいくとエンジニアリングモデル、そしてフライトモデル、そして機体の完成をもって打ち上げまで挑むと。今のところ2022年の末から2023年にかけて打ち上げを行いたいというふうに考えているところです。で、初号機打ち上げ後すぐに量産化することによって、年間で何機もどんどんZEROを打ち上げていくということを考えているというところです。 このZEROの開発の背景ですけれども、まず超小型人工衛星の需要の拡大というのがあります。小型衛星、何種類か区別があります。小さいものは本当に1キロのものから、100キログラムまでのものを超小型人工衛星というふうに日本語では定義されていますけれども、われわれの狙っているところはこういうところのお客さん、こういう人工衛星を宇宙空間、地球の周りに打ち上げるというところがわれわれの目標です。それより大きいところもスモールサテライトと呼ばれますけれども、もう少し小さいところがわれわれの事業領域だというところが大きくほかのところと違うところです。 これもアメリカのコンサルティング会社、調査会社のリサーチですけれども、ここ近年、数十機から数百機、2019年、今年のベースで言うと300機を超える小型人工衛星というのが打ち上げられようというふうにしています。もう実績ベースで去年、おととし、100機以上200機程度、宇宙空間に小型人工衛星というのは打ち上がっています。さらに今後どんどん増えていく。それも加速度的にどんどん需要というのが伸びてくるだろうというふうにいわれています。 2018年に打ち上がったこの超小型人工衛星、特に下のほうですね。1キログラムから50キログラムぐらいの大きさのものですけれども、これが250機打ち上がっています。今後5年程度かけて、これも予測値ですけれども、2000機以上こういう人工衛星というのが打ち上げられようと。まさに大きく拡大しているところだというところです。 ただこの小さい人工衛星をたくさんつくっているプレーヤーの方がいます。それを実際に宇宙に運ぶロケットというのがまったく足りていない。現在年間30回程度の打ち上げが世界中で行われているというところです。こういうふうに世界的なロケット不足というのを解消しましょうというのがわれわれの開発しているZEROの目的です。