『妖怪ウォッチ』はじめ、なぜ福岡からゲームのヒット作が相次ぐのか?
いま全国の子どもたちを虜にしている「妖怪ウォッチ」をはじめ、「イナズマイレブン」「ダンボール戦機」「ワンピース アンリミテッド」シリーズなど、数々のヒット作のゲームが、このところ福岡から相次いで生まれている。なぜ、東京から遠く離れたこの地から、全国を席巻するような作品が次々と誕生しているのだろうか? ■「妖怪ウォッチ」のレベルファイブだけじゃない 「ポケットモンスター(ポケモン)を上回る人気」。そんな声さえ上がるほど、爆発的な人気を誇る「妖怪ウォッチ」。テレビアニメやグッズ販売などが目立っているが、もとは福岡市のゲーム会社「レベルファイブ」(日野晃博社長)が開発したゲームソフトが発端だ。同社は、これまでも「イナズマイレブン」や「ダンボール戦機」、「レイトン教授」などのヒット作を飛ばし続けている。 福岡市では他にも、ヒット作を輩出するゲーム会社がある。「ナルティメット」シリーズを手がけるサイバーコネクトツー、「ワンピース アンリミテッド」シリーズのガンバリオンなどで、ゲーム業界では福岡市に拠点を置く会社が存在感を示している。 ■活気づく福岡市のゲーム業界の背景 なぜ、福岡市のゲーム業界はこれほど活気にあふれているのか?実はこれまで福岡では、地元が一体となって、ゲーム産業の育成に取り組んできた経緯がある。ゲーム開発会社どうしがライバルとして反目するのではなく、「お互いが持つ悩みを共有し、解決していこう」と、当時の7社で業界団体「GFF」を設立。この団体名には、“GAME FACTORY’S FRIENDSHIP”(ゲーム開発会社の友好協定)と、“GATE FOR FUTURE”(未来への扉を開く)のふたつの意味が込められている。 業界の動きに後押しされるように、公的な組織もバックアップに乗り出す。2006年、「九州・福岡を世界が目指すゲーム産業都市にする」を合言葉に、福岡市と九州大学、ゲーム業界が連携する全国初の組織「福岡ゲーム産業振興機構」が発足するに至った。同機構では、ゲームクリエイター育成を目的としたインターンシップ事業を、年2回実施。こうした取り組みで、多くの人材やゲーム関連会社が育つ土壌が育まれてきた。