『妖怪ウォッチ』はじめ、なぜ福岡からゲームのヒット作が相次ぐのか?
■仕事に集中できる通勤に負担の少ない土地柄 こうした地道な取り組みに加え、福岡という土地が持つ特性もヒット作の誕生に寄与しているようだ。同機構は、地元のゲーム産業関連企業に勤める183人に対してアンケートを実施し、その結果をサイトで公表している。それによると、平均通勤時間は、「1~15分未満」が全体の23%、「15~30分未満」が36%。合わせて約6割が30分未満で、60分以内でみれば9割が該当した。 しかも、驚きなのは通勤手段だ。なんと「徒歩」が39%で最も多く、「自転車」も21%を占め、合わせて6割の人が徒歩・自転車での通勤圏内に暮らしている。これは、福岡の家賃相場が安く、オフィスのある都心部の近くに住めるためで、首都圏のような満員電車の通勤で時間と活力を消耗するリスクとは無縁。仕事に集中できる時間を多く確保できるのはもちろん、福岡は海や山も近く、息抜きできるスポットにも事欠かない。 ■クリエイター育成の教育環境も充実 そして、福岡市の人口当たりの若者率は22.5%と、全国の政令指定都市の中で最も高い。こうした若い人材が、ゲームに関連するスキルを学べる情報系、デザイン系などの学科がある大学、短大、専門学校などは、福岡県内には約30校あるのも見逃せない。 レベルファイブの日野晃博社長は、読売新聞(2014年5月24日福岡版)のインタビューで「東京よりストレスが少なく、住みやすい福岡は、クリエイティブな仕事に適している」と語っている。若く活力のある福岡から、これからも多くの人をひきつける作品が期待できそうだ。 (文責・坂本宗之祐)