カツカレーは「日乃屋カレー」が圧倒的?ココイチ・マイカリー食堂は“少し残念なポイント”も
カツの分厚さはあったものの…
ライスは丸みを帯び、硬めの炊き加減ながら水分をしっかり含んだ日本米。カツは自立するくらい分厚く噛み応えがありますが、肉の味は控えめ。 この日の揚げ加減もあったと思いますが、剣先立った衣の焦げ臭さが少々鼻に残りました。 トータルバランスの良さはあまり感じられなかったものの、「ボリューム感とコストパフォーマンスはバッチリ」です。辛さも一般的だと思いました。
「日乃屋カレー」はカレーとカツの相性抜群
最後は「日乃屋カレー」です。「始まり甘く、後より辛い、余韻残りしカレールウ」がキャッチコピーで、口当たりのハッキリとした甘さから、食べ進めるほどに辛くなってくる、ルーの独特な味わいが特徴です。 基本メニュー数は16種とさほど多くないものの、カツカレーを名物に掲げています。 では、「名物カツカレー 980円(税込)」の実食と参りましょう! カツの重さは101グラム。ライスの大盛りは無料で、普通盛りだと他社よりも少なめに設定されています。 持ち重りのする、どろっとしたルーは、リンゴなどフルーツとシナモン系の甘みが口当たりにハッキリと感じられます。そこからさらにひと口、ふた口とスプーンを運ぶとだんだん辛くなってくるのですが、これがけっこう辛い。ライスは、一般的な日本米よりも粒が若干長く、ぱらりと硬めで、どろりとしたルーとほどよいコントラストになっていました。 また、カツは分厚さこそないものの豚の脂身と赤身を両方感じられる、バランスの良い肉感。豚肉の甘みと衣の香ばしさが、甘みの立ったカレーと非常に好相性でした。 やはりルーの味わいが独特で、ノーマルでもわりと辛め。ここは好みが分かれるところと言えるでしょう。ただ、「全体のバランスがしっかりと考えられたカツカレー」という印象を受けました。
筆者の推しは「日乃屋カレー」!
同じカツカレーとはいえ、店のコンセプトやルーの味わいだけでなく、カツにもかなり大きな違いがあるのが意外でした。各社とも、そもそも目指す方向性が違っていそうなので、あくまで個人的な推しにはなりますが、今回は「日乃屋カレー」を選びました。3社の中では唯一、全体のバランスがしっかり計算されており、ルーもほかではなかなか味わえない一品だと思います。 マイカリー食堂は「圧倒的なコスパ」、CoCo壱番屋は「親しみやすさ」と、それぞれに良さがありました。 夏の疲れが抜けない身体に、カツカレーでガツンとエネルギー補給してみてはいかがでしょう? 文/川瀬章太 【川瀬章太】 フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中
日刊SPA!