ヤンキース田中将大 右肘痛の背景と不安視される最悪のケース
ヤンキースの田中将大投手(25)が9日(日本時間10日)、右肘炎症のため、15日間の故障者リスト入りした。前日8日のインディアンス戦で7回途中まで投げた後に、痛みを訴えたという。ジラルディ監督はこの日、田中が遠征先のクリーブランドからニューヨークに戻って磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けたことを認めた。今季18試合に先発して12勝4敗。防御率2.51の好成績で、選手間投票1位になって球宴初出場を決めたばかりの田中の離脱は、ヤンキースにとって大きな衝撃だ。 米スポーツネットのESPNの電子版は「肘の痛みは、結果的にトミー・ジョン(靭帯再建)手術に至る靭帯の損傷のサインであることが、しばしばあるだけに、田中の状況は、更に深刻なものになるかもしれないが、ヤンキースは、チームドクターのクリストファー・アフマド医師がMRI検査の結果を診断するまで、肘の状態について詳細を語ろうとしない」と、伝えている。 多くの投手が、痛み=MRI=靭帯損傷=トミー・ジョン手術、という一連の経緯を辿る歴史があるだけに、ニューヨークの地元メディアも最悪のケースを心配する。同記事の中で、ジラルディ監督は「MRIと聞くと皆、不安になるだろうけれど、ドクターに看てもらうまで、私から言えることはない」と語っている。サバシアが長期離脱するなど苦しい先発事情の中、実質エースの働きを担っていただけに「現時点でも損失だし、長期化すれば、更に損失は大きくなる。彼が今までチームのためにやってきたことを思えば、彼の替わりを探すことは難しい」と、かけがえのない右腕の離脱を嘆いた。 この時点では、トミー・ジョン手術を要する靭帯損傷と診断された訳ではないが、万が一、最悪の結果になった場合を考える時、ふと甦るのが、5月3日、レイズのマドン監督が田中についての印象をインタビューした時のコメントだ。「私は、彼のスプリットの多さに注目している。私はスプリットを多投することに、常に懸念を持っている。若い選手が多くのスプリットを投げると肘や前腕に負担が掛かって故障に繋がるケースがあるからだ。田中はまだ25歳という若い選手だが、あれだけスプリットを投げて、この先2、3年、どんな影響が出てくるのか、注目している」と語った。