【カープOB・大野豊が語る】早くも始まる来シーズンへの競争。期待される若い投手のさらなる台頭
現役ドラフトや外国人補強、選手の移籍等を経て、顔ぶれが変化している新井カープ。先発の一角を担った九里亜蓮、中継ぎとして活躍した矢崎拓也が抜ける一方で、新戦力としてチームに加わった面々も。カープOB・大野豊氏が、『変化』を迎える来シーズンの注目選手たちを、独自の目線で解説する。(データは全て12月12日時点) 【写真】現役ドラフトで加入した山足達也 ◆投手・野手ともに選手の顔ぶれが変わった今オフ 秋季キャンプも終わり、現役ドラフトや選手の移籍など来季に向けた動きが活発になってきました。12月12日には九里亜蓮のオリックス移籍が発表され驚いたファンも多かったのではないでしょうか。 とはいえ、九里が海外FA権を行使した時点で、いわゆる先発4本柱のうちの一人が抜けることは決まっていましたから、若い投手陣にとっては大きなチャンスです。九里の抜けた部分に割り込んでくる投手は誰なのか。そこを予想するのも楽しみの一つです。先発候補として名前が挙がる投手はたくさんいますが、まず大瀬良大地、床田寛樹、森下暢仁の3人は間違いないでしょう。そこに、森翔平や玉村昇悟に割って入ってきてもらいたいですし、黒原拓未や斉藤優汰、常廣羽也斗といった若い投手にも注目したいところです。非常に期待感のある顔ぶれでもありますから、春季キャンプで彼らがどのようなアピールを見せてくれるは、楽しみにしたいと思います。 12月9日に行われた現役ドラフトでは、オリックスから内野手・山足達也、日本ハムから投手・鈴木健矢を獲得しました。カープからは、矢崎拓也のヤクルトへの移籍が決まっています。今シーズンの矢崎を見る限りでは、今のカープで登板数を増やしていくのはなかなか難しいのではないかと感じていました。期待をされてヤクルトに行くわけですし、神宮球場は慶応大時代から親しんだ球場でしょうから、新天地でぜひ頑張ってもらいたいと思います。 現役ドラフト1巡目で獲得した山足は、来年でプロ8年目を迎える内野手です。ドラフト会議でも1位で青山学院大から内野手の佐々木泰を獲得し、外国人選手も、内野手のエレフリス・モンテロを獲得しました。かなり新しい顔ぶれが増えた印象ですから、内野の争いも激しくなっていくでしょう。今までいた選手たちも油断ができません。ポジションをつかみ取るためにどこまでパワーアップできるかが重要になります。現役ドラフト2巡目で獲得した鈴木は、変速アンダースローの投手です。チームにいないタイプの投手ですから、中継ぎで機能する可能性も大いにありえます。そういう意味では、先発だけでなく、リリーフ陣の競争もさらに厳しくなることが予想されます。投手陣に関しては、来年に向けて非常に楽しみがあると感じています。(後編に続く)
広島アスリートマガジン編集部