帰ってきた道先案内人シェルパ! フレンドリーだけど頼りになる相棒
デュアルパーパスだけど背が高すぎない
トレイルライドで扱いやすい、穏やかさを持つ空冷SOHC2バルブ単気筒エンジンは従順なキャラクター。ゆっくりトコトコ走っても、スロットルレスポンスが過激しすぎないからギクシャクしません。フレンドリーで機能的、新型シェルパです。 【画像】カワサキKLX230シリーズの画像を見る(20枚)
前後サスがソフトに動くから、スロットルのオンオフだけで軽快に車体がピッチングし、意識を向けなくてもバイクの挙動を把握しやすい。手の内にある安心感は、デュアルパーパスでありながらもサスストロークが極端に長くないことも影響しています。
シート高が低く抑えられ、いつだって地面に足が届くという余裕もまた持ち味と言えるでしょう。シート高は845mmありますが、体重66kg(身長175cm)の筆者がまたがると乗車1G'で車高が沈み込み、両足が地面に余裕を持って届きます。 軽量で剛性の高いアルミテーパードハンドルが、ツーリングでも疲れにくいゆったりとしたライポジをもたらします。フューエルタンクからスリムな形状のシュラウドになめらかにつながる車体は下半身でホールドしやすく、前後移動もしやすくなっています。
最後発の隠し玉
1997年に発売したKLX250スーパーシェルパで、その名をカワサキは世に放ちました。ヒマラヤの山麓に住むチベット系ネパール人の少数民族で、登山における道先案内や荷物の運搬を行う人たちのことをシェルパと言います。 道なき道を進むマウンテントレイルは、スプリンターのような瞬発的なスピードよりも着実に歩を進め、道中の雄大な景色な自然を楽しむことに重きを置きます。 スーパーシェルパのベースとなったのは、1993年に「闘う4スト」のキャッチコピーでデビューしたKLX250SR。同年登場のエンデューロレーサーに灯火機類を備えた過激な公道バージョンで、パワーや走破性はピカイチ。スーパーシェルパは一線級のオフロード性能を持ちつつ、トレッキングバイクとして仕上げられていました。