BE:FIRST、オーロラ、新しい学校のリーダーズなどが躍動 サマーソニック総括レポート【東京DAY2】
SUMMER SONIC 2024が8月17~18日、東京・大阪の2会場で開催された。今年も完全ソールドアウトで大盛況。MARINE STAGE、MOUNTAIN STAGE、SONIC STAGE、BEACH STAGEのハイライトをまとめた東京公演のライブレポートをお届けする。本記事ではDAY2・8月18日(日)を総括。 【ライブ写真まとめ】サマーソニック2024東京公演 DAY2 ※以下、当日の出演時間順に掲載 * WEST. 11:00〈MARINE〉 パフォーマンス中に重岡大毅は「WEST.10周年。一番得意だったことは、一生懸命歌うことでした」と叫んでいたが、この言葉に全てが集約されていたといっても過言ではない。どの曲にしても、歌から放たれるパワーが、想いが、マジさが半端ないのだ。まさに熱血アイドル。「ギラギラブベイベー」では客席に向けて水鉄砲を噴射し、「ホルモン~関西に伝わりしダイアモンド~」では全力のオタ芸を披露。かと思えば、胸を打つリリックの「つばさ」を投下して、ひとりひとりの心に語り掛けてくる。彼らにかかれば、楽しませるのも涙を誘うのもお手のもの。しかしそれは、彼らが本気で1曲1曲と向き合っているからこそ、生み出せるドラマでもある。一生懸命は、本気は、ちゃんと伝わる。MARINE STAGEのトップバッターとして、美しい空間を作り出していた。(坂井彩花) ちゃんみな 12:10〈MARINE〉 「レアな姿で素敵なステージに立てるのが本当に楽しみです」と事前にXで本人がポストしていた通り、緑に囲まれたボタニカルなステージに現れたのは、出産間近で大きくなったお腹を強調した赤い衣装のちゃんみなだ。彼女を囲むのもまた、ルカ・グァダニーノ版『サスペリア』を彷彿とさせる赤い衣装を纏った男女10数名のダンサーたち。曲ごとに編成を変えながら時に激しく、時にセクシーに踊る彼らとともに、畏怖と官能と神秘が入り混じるパフォーマンスを展開した。ラテン風味の「Angel」や「ハレンチ」で観客を引き込んだ後は、「You Just Walled In My Life」「Never Grow Up」といったアコースティック主体のミドルバラードをしっとりと歌い上げ、最後は代表曲「美人」でランウェイを練り歩く。出産前最後となったこのスペシャルなひとときは、ちゃんみなにとっても観客にとっても忘れられないものとなっただろう。(黒田隆憲) Lovejoy 12:50〈SONIC〉 昨年発表した2ndアルバム『Wake Up & It’s Over』が全英トップ5入り。TikTokでも人気の若手インディーバンドのラヴジョイには、幅広い年齢層の観客が集まっていた。ドラマーがブロンディのクレム・バークのごとくドタバタと叩き込み、ギターやベースがゴリゴリでジャリジャリの低音を響かせ、ツアメンの女子トランペッターがリードでメロディを吹きまくり(!)。それぞれが好き勝手放題という感じなのだが、それでいて不思議とバラけず、まとまっている。ステージ後方に映し出されるビンテージ映像にサイケ処理が施されたアシッドトリップ感も、いい感じ。彼らの精神的な自由度の高さを伺わせ、モンドでキュッキュなキャラも見えてくる。どこへ向かうのか分からないこの綱渡りのような感じ……こそが彼らの最大の身上と言えるかも。曲頭のカウントを日本語でやってくれたのは嬉しかったが、“♪いち、にい、さん、フォー!”ってのには爆笑した。(村上ひさし) Creepy Nuts 13:25〈MARINE〉 たった二人で海外をも席巻するCreepy NutsがMARINE STAGEに登場。初っ端の「ビリケン」からフルスロットルで盛り上げる。数万人の「Yeah, yeah, yeah, yeah, Yeah」という歌が響き渡った「堕天」。R-指定が「今日は声を出すの合法となっています!」と薦めてからの「合法的トビ方ノススメ」。「国内国外、いろんなアーティストが出ているけど、日本のDJ、日本のラッパーはやっぱりすごいなって見せないと。俺のラップ、松永のDJ、少数精鋭、我々が日本のヒップホップの顔役でございます!」という自己紹介からの「顔役」。DJ松永の見事なフリースタイルを挟み、「Bling-Bang-Bang-Born」へ。数万人が一斉に高速のジャージークラブのラップに合わせて躍る姿は壮観そのものだった。(小松香里) JO1 13:40〈MOUNTAIN〉 バンドの生演奏と共にMOUNTAIN STAGEに刻まれた、勢いのあるパフォーマンス。“ライブが強み”という言葉の解釈はそれぞれだが、JO1においては“ライブならではの魅力を創出している”と読み解くことができるように思える。恵まれた声量をフル活用したり、あえて崩した歌いかたにしてみたり、細かなモーションで遊んでみたり。録画された映像には収まりきらない情報を、目の前の人々に届けていくのだ。また、インタビュー時の「武器の持ち替えができるようになりました」という言葉も、しっかりと体現。いうならば、魅せかたがよりグラデーション化したということなのだろう。個人で魅せる、集団で魅せる以上のバリエーションを獲得し、楽曲ごとで適切なアプローチを選択。それにより、パッショネイトだが一辺倒ではない、ドラマチックなライブを作り上げた。(坂井彩花)