BE:FIRST、オーロラ、新しい学校のリーダーズなどが躍動 サマーソニック総括レポート【東京DAY2】
Henry Moodie、INI、ATEEZ、新しい学校のリーダーズ、YVES TUMOR
Henry Moodie 14:00〈SONIC〉 20歳のライジングスターfrom UK、ヘンリー・ムーディーを迎えたのは、悲鳴に近い黄色い歓声だった。ライブはまだまだこれからなのだろうと思いきや、人柄を物語っているようにも思えるちょっと頼りなげな歌声とは裏腹に彼は積極的に観客に語りかけ、シンガロングを求めながら、観客を巻き込んでいく。終盤の「pick up the phone」では客席に降りるガッツも見せる。曲はダンサブルなポップスとバラードの2本立て。エモーショナルに歌い上げるメロディはともにピッチの甘さを越えて、胸に染みる魅力がある。9月27日のリリースに先駆け、ちょっとラテン風味もある新曲「good old days」も披露。サポートの女性ギタリストもクールだった。(山口智男) INI 14:30〈PACIFIC〉 フロア後方まで人が溢れ、超満員となったPACIFIC STAGE。生バンドでの初ステージという事実だけで彼らの気合は十分に伝わってくるが、もちろんパフォーマンスだって抜かりない。ド頭に『SUMMER SONIC 2024』のために用意したINTRO DANCEをドロップしてオーディエンスをさらに惹きつけ、「Rocketeer」では盛大なコール&レスポンスを巻き起こす。数々のフェス出演を通して積み重ねてきた経験値が、演出や魅せかたのひとつひとつにこめられているのだろう。「We Are」の終盤と「FANFARE」の冒頭では、髙塚大夢がエレキギターをかき鳴らし、まさかの展開にファンですら度肝を抜かれるシーンも。フェスという自分たちのファン以外の人が集う場所であっても、INIはINIらしく輝く。様々なジャンルの楽曲を組み合わせ、メンバーの強みだってフックアップするステージは、力強くそう証明していた。(坂井彩花) ATEEZ 14:40〈MARINE〉 K-POPの男性グループとして初めて今年コーチェラに出演したATEEZ。ヘヴィなバンドアンサンブルが響き、いくつものフラッグと共にATEEZとダンサーたちが登場。「Guerrllia」のソリッドな歌&ラップ、ダンスで一気にMARINE STAGEのテンションを最高潮に持っていく。8人が一斉に右手を突き上げ、「Say My Name」へ。サビでは「Say My Name,」のコール&レスポンスが生まれた。SANが「世界的なフェスであるサマソニの舞台に立つことができてとても嬉しいです。MARINE STAGEに立てることでさらに嬉しく思います」と言うと、HONGJOONGが嬉しそうな表情で「Make Some Noice!」とシャウト。効果的に花道を使い、出来る限りオーディエンスに近づきつつ、パワフルで没入感に溢れる世界基準のパフォーマンスを見せつけた。(小松香里) 新しい学校のリーダーズ 14:50〈MOUNTAIN〉 登下校のチャイムがMOUNTAIN STAGEに鳴り響き、それを合図に新しい学校のリーダーズのライブがスタートした。昨年は「Spotify RADAR:Early Noise Stage」のトリを務めた彼女たちだが、今年はコーチェラで大きな爪痕を残した直後の「凱旋パフォーマンス」。キャパ2万人を超えるMOUNTAIN STAGEすらあっという間に満員となった。お囃子をモチーフとしたトライバルなビートの「Toryanse」や「Omakase」でオーディエンスの心を鷲掴みにし、和田アキ子や山本リンダをも彷彿とさせるSUZUKAのドスの効いたボーカルが映える「オトナブルー」で最初のピークに。RINの高速ラップやMIZYUの切れ味鋭いダンスなど、各メンバーの見せ場を随所に散りばめながら「Tokyo Calling」を経て「青春を切り裂く波動」まで一気に駆け抜けた。(黒田隆憲) YVES TUMOR 15:10〈SONIC〉 Warpへ移籍後はロックに急接近、昨年のフジロックでもグラマラスなパフォーマンスが話題となったイヴ・トゥモアことショーン・ボウイ。今年はリード・ギターがクリス・グレアッティからバークリー音大出身のマロ・チョンに交代。鍵盤&ギター担当のイヴ・ロスマンはブロンドシェルなどのプロデューサーとしても活躍中。そしてドラマーのリース・ヘイスティングスはキム・ゴードンとツアーを経験した売れっ子と、強力なバンドに身を委ねてショーン劇場を展開した。地を這う電子音ベースにハードなギターが絡み、ゴスとグランジが衝突したような頽廃的ムードが横溢。「Echolalia」でスクリーンに星条旗を投影するなど、映像でも煽る。途中でショーンが上着を脱ぐとTシャツには“I PREFER DOWNERS”という不穏な文字が……。妖艶なファルセットを随所で聞かせる一方、地声で歌い通した「Parody」のヒリヒリした感触が忘れられない。(荒野政寿)