【毎日書評】共働きなのにお金がたまらない!いますぐ「おこづかい制」をやめて「共有口座」へ
一人の時よりも、カップルになって同棲したり、家族が増えたり、親と同居したりと、他人との関わりが増えるほどお金のトラブルは増えていくものです。 言いにくいからと遠慮しているうちに、人間関係がギクシャクすることも多々あります。(「はじめに 結婚生活の破綻は『お金の問題』が8割」より) ファイナンシャル・プランナー(FP)である『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』(柏木理佳 著、 三笠書房)の著者はこう述べています。引き合いに出されているのは、米クレイトン大学のエドワード・ホーウィッツ博士による「結婚生活の破綻の8割が金銭問題」という指摘。無駄づかいが多くて予算を守らないと、家族の信頼関係がどんどん崩れていくということです。 海外では、結婚を機に大半の夫婦が、普通預金口座やクレジットカードを共同で使える「家族カード」を作成します。 米国の多くの研究では、この家族カードは幸福への影響に大きな効果を及ぼすそうです。(「はじめに 結婚生活の破綻は『お金の問題』が8割」より) つまり、お金の管理をひとつにまとめれば、さまざまな問題が解消されるということ。しかし、夫婦の考え方は、過去の習慣や癖、性格の違いなども影響するものでもあります。したがって、人生のさまざまな局面において適切な対策をとることが必要となるわけです。 そこで本書において著者は、新婚時代から子どもが成長し、ふたりに老後を考えるときまでの、“必要なお金を上手にコントロールする対策”を明らかにしているのです。 きょうはChapter 1「『お金がたまらない』にはワケがある!」のなかから、「おこづかい制をやめて、共有口座を作りましょう」という項目に焦点を当ててみたいと思います。
おこづかい制は日本だけ
著者は多くのカップルに対し、「いくら夫がお金に無頓着でも、おこづかい制度はやめるべき」だと話しているのだそうです。 実は、おこづかい制があるのは日本だけです。 日本人は、給与すべてを妻に預け、預金口座は妻が管理しているという習慣があるのかもしれませんが、これは今の時代には合いません。海外では公平に二人で話し合い、お互いが相当分を支出するのです。そのほうが妻の仕事もしっかりとキャリア形成の中に位置づけられ、お互いのキャリアや仕事を尊重し合うことにつながります。(45ページより) たしかに、社会的キャリアを認めてもらうといった感覚は、きちんと収入に比例して支出するという公平さに裏づけられてこそ得られるもの。いいかえれば、それが“いまの時代の価値観を大事にする”ということだといえるでしょう。 しかし、おこづかい制は、相手を信用しているということでも、やさしさの表明でもありません。それどころか、相手を尊重していないと考えることもできそうです。そこで、まずはそれぞれが買いたいもの、やりたいことなどについて考え、それを踏まえたうえで話し合うべきことをしっかり話し合うべきだということです。 会社の経理部でも担当者一人に任せっきりにするのは危険なので、数人でチェックし合います。担当者が病気になったり事故にあったりすることもあります。 家族も同じです。これは本来は、結婚前に、お互いの家族でのお金の管理方法がどうだったかを聞くことで、相手の金銭感覚を確認しておくことをおすすめします。最初は無理でも、デートを重ねていけば、だんだん話しやすい雰囲気が出てくるでしょう。 両親は、おこづかい制だったのか、別々の家系だったのかなど、ざっくばらんに話せばお互いの価値観がわかり、金銭感覚を確認し合うことができます。(46~47ページより) もし仮に、ふたりともルーズな家庭の出身だったとしたら、協力しあってきちんと細かく家計簿をつけないと、家計が破綻しかねません。FPなど、しっかり計算できる第三者に相談することも必要でしょうが、それを避けていると借金ばかりが増え、面倒なことになってしまうわけです。(44ページより)