冬休みは「マインクラフト」で親子でデジタルものづくり。子どもの自己肯定感をあげるために親がするべきことは?
「マイクラ」のコンテストとは?
――鈴木先生は、「マイクラ」の学習成果を発表する大会「Minecraftカップ」を運営されているそうですね。 「この大会はいわゆるゲーム大会とは違って、マイクラのワールドを構築する過程を重要視しています。作品制作に入る前に、課題について探究的に学びができているチームが上位に入賞します。課題は『このワールドではなにを大事にするのか』。たとえば『環境』や『生命』など哲学的なお題が出題されます。この課題を探究し、どのように表現するのかが問われるコンテストなんです。たんにプログラミングが上手とか早いとか、つくった建築の見た目が優れているだけでなく、加えていろんな社会の問題を調査・探究してもらって、なんらかの未来のソリューションをつくってもらう。上記の3つのキーワードに合致した課題設定になっています。 たとえば2024年の課題のテーマは『Well-beingをデザインしよう』。つまり、SDGsが達成されて未来の『まち』や『たてもの』を子どもたちにつくってもらいました。つくるにはまずSDGsとはなんなのかについて知らなくてはなりません。子どもたちは数か月をかけて時間をかけて広範に調べてクリエイティブなアイディアをつくっていきます。実際にブロックを積む表現作業の前段階の『アイディア出し』がとても重要です。 ――マイクラカップは、全国14ブロックで予選が行われるとても大きな大会に成長しています。例年10000を越えるエントリーがあるそうですが。 「とても多くの方がカップに参加してくれますが、完走するのがけっこう難しいです。これは非常に重要で、探究プロジェクトのマネージメント能力を見ています。スケジュール管理と仲間とのグループワークス。ひとりが突出していても、チームが崩壊してしまったら完走できない。人生、あるいは仕事ってすべてこの段どりが大切じゃないですか。生きていく上でもっとも重要なことがおのずと含まれる設計になっています」